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help RSS 『ゆほびか』―梶山シュウ

<<   作成日時 : 2010/02/15 00:11   >>

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広島で活躍するベーシストでありボイスパフォーマーの梶山シュウの完全ソロ名義アルバムとしては2枚目(実質3枚目)となるアルバム。えせニック(氏が謳う、広くアジアの民族音楽を独自に解釈した音楽のこと)とポップ感が絶妙にブレンドされた1枚。

ライブでも人気の「らのえてぃあ」からスタートする。実際のライブに近いアレンジで収録されているが、彼を知らない人がこれを聴いたら、まさかソロでやっているとは想像はつくまい。ベースだけでなく様々な楽器に精通しているマルチプレイヤーであること、そして実践の場で長年鍛え上げてきたループマシンの匠の技が、ライブ演奏を可能にしている。まずは梶山シュウのプロの技を知るのにうってつけだが、曲そのものもメロディックかつドラマチックで大変素晴らしい。名曲である。
続く「十六夜」は筝奏者をゲストに迎え、日本風の音をフューチャーした曲だ。でもやはりどことなくえせニック。
旅の途上で浮かんだという「Dance」は非常にポップ感の強い、というか普通にポップスだ。それでいながらアジア臭ぷんぷんな梶山シュウのイメージと喧嘩しないのは一見不思議だが、恐らく彼の民族臭とポップ感を上手に橋渡ししているのがフレットレスベースの丸みのある音色、そしてボーカリストとしての優れた力量だろう。そう、彼は実は歌も素晴らしいのだ。なにせボイストレーナーとしての肩書きも持つ彼のボーカルは、豊かな声量と温か味のある声色が魅力だ。
えせニックという響きこそ安直だが、彼の音楽はただ単純にアジア風のサウンドを独自に解釈したと謳っているだけのものではなく、ミュージシャンとして梶山シュウという人間が積み重ねてきたものが集約された上で、この音楽が成立しているということを忘れずにおきたい。インスパイアされる対象があり、それを音楽に昇華するアイデアがあり、なによりもそれをわかりやすい形で提示するテクニックがある。これがバンドのアルバムだったらまた話は少し違ってくるが、ソロの作品としてじっくり眺めてみた時、アーティストとしての面と職人としての面の両方で感銘を受けるはずだ。


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