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音海ダイバー
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アンダーグランウンドなフィールドで活躍する力のあるミュージシャンの紹介、メジャー系ミュージシャンにおいてはその価値の再発見を目的とした、音楽系ブログです。
国内外、ジャンルを問わず、誰かが「イイ」と言う音楽なら、そこには必ず見るべき点があるはず。そういう点を掘り下げていける記事を書いていきたいと思っています。
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<ライブ(私)> 11/01

2009/11/07 17:38
しばらくぶりに荻窪ベルベットサンに足を運ぶ。今日はMAKIがスタッフに入っていた。聞けば明日ここでライブやるらしい。でもベルサンは今後ライブスペースではなくなってしまうらしく、今後は別の処でやるようになるみたいだ。なんだか勿体無いなぁ。

1番手のラウンドというバンドは、天国とも馴染みのあるPAの内田さんがベースを努めるバンド。ベルサンでドラムが入るバンドを観たのは初めてのような気がする。おかげでいつも以上にステージが狭く見えた。
元気のいい曲もあるが、基本的にはゆるい感じのバンド。2コードか3コードくらいの曲が多く、最初はサイケデリックバンドかと思うほどとろりんとした雰囲気を出していた。
なんか池袋の(?)LIVE INN ROSAについて色々言ってた。いいご縁があるようで(´ー`)



2番目は天国。今日は渡部くんはお休みで、久しぶりに本来の編成。かといって寂しい感じはせず、むしろ個々の音がクリアに届いてきて良かったと思う。宮國さんも咽の調子はすっかり回復したようで、今日は伸びやかな歌声を響かせていた。
前回「のら」でかなり遊んだのが本人たちも面白かったようで、今日も即興から「のら」に繋げるという形で口火を切った。2人だけだとさすがに自由度が増す。(渡部くんは多忙なので、いつもちょっとしかリハが出来ない) セッティングの関係上、ピアノが逆向きになってアイコンタクトが取れない状態だったがなんのその。さすがに天国も2年近くやってるわけで、感覚で息を合わせられるようになってきているね。
個人的には「茶色い庭」で宮國さんが「スポッ」がツボに入って、その後も度々思い出し笑いをしてしまって参った。「重力からの解放」や「踊る王様」など、最近聴いてなかった曲が聴けたのも嬉しい。




最後はイギリスからやって来たMan-made Noiseというソロユニット。ギターによる弾き語りがメインだが、時折ドラムパッドやループマシンなど、小物を色々駆使して面白いことをやる。
基本となっている弾き語りの部分はとてもノスタルジックな感じの、なおかつイギリスらしいもの。コールドプレイやレディオヘッドあたりを想起させる、繊細なんだけどナヨっとしてない声。これは日本人には出せないよなぁ。
途中、ご友人で恐らく日本での世話役と思われるダニエルさんを交えて1曲披露。これもなんだか懐かしい感じ。
最後は色々な音をループさせながら終わるという、なかなかムーディで洒落た締め方で良い雰囲気だった。
11月中はまだ日本でライブしているそうなので、もう1回観に行けたら行こうかなと思う。

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『唱撃 其の弐』終了!

2009/11/07 17:10
ご挨拶が大変に遅くなりましたが、10月24日に『唱撃 其の弐』を江古田クラブドロシーにて開催、無事に終了いたしました。ご来場ならびにご協力いただいた方々には深く御礼申し上げます。
ごく簡単にではありますが、写真を眺めながらイベントの様子をここで振り返ってみようと思います。


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トラブルもありましたが、なんとか時間通りに開演。1番手はNGATARI
独特の「間」を持つ彼らの音楽性に初めて触れる人は見落としてしまうかもしれませんが、実は非常に名曲揃いなバンドです。特にこの日はボーカルのJessica嬢がとてものびのびと唄っているように見えて、彼らの曲の良さが引き出されていたように思われます。

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続いて国吉亜耶子and西川真吾DuoNGATARIを美しい闇と表現するならば、こちらは清濁併せ呑んだ陽という感じでしょうか。ポーズとしてのそれではなく、本当に等身大の、飾らないどこまでも実直な歌を聴かせてくれました。

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その次は天国。もうはぐレ企画のイベントではすっかり御馴染みの顔になりました。その圧倒的な存在感は今回もピカイチ。奇態を演じているように見えて、その実きっちりと計算された(?)ステージはまさしく一幕のショーという趣で、目も耳も釘付けにされました。

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そしてトリを努めたのがGHQ。Aのボーカルはまさしく唱撃の象徴そのもの。声量、技術、存在感、どれを取っても凄まじいの一言に尽きます。そしてそれをバックアップする豪腕インスト隊のヘヴィな演奏と相まって、ガンガンと押し込んでくるGHQサウンド。ぶっ飛ばされました。

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今回はいつも以上にたくさんの方々に助けられ、本当に感謝しております。何者でもない一個人の企画に乗ってくださる酔狂、もとい親切な方がたくさんいてくれるおかげで、このようなイベントが成立している次第です。いつもいつも本当にありがとうございます。
叶うならば、今後も引き続き企画をやっていければと思いますが、その時にもまた皆様のご助力をいただけたら幸いです。
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<ライブ(私)> 10/17

2009/10/23 22:04
国吉亜耶子and西川真吾Duoを観に、八王子papaBeatに行く。近いが初めてのハコ。近いが迷う。ぐるぐる回る。着いてみたら「なんだここか」と思った。UFOの隣。マッチボックスの上。めっちゃ来たことある場所だった。
入ってみると思ってた以上に広い。そしてかなりのゆったり空間。ライブスペースであると同時にダイニングバーとも謳っているだけあって、なんともくつろげそうな感じの場所。ステージも広い。ええなぁ。


ライブ1番手は原風景ストライプ。元気のいいアコースティック系3ピース。色々単調にならない工夫がされてるし、シンプルなセットできちんとアクセントの利いたリズムを叩き出していたパーカッションの人に好感が持てた。きっと10年前だったらかなり好きになってただろう。



2番手、芝崎貴慶。1人でギター抱えて出てきたので、てっきり普通の弾き語りかと思ったら、1曲目にいきなり大河ロマン風のオケ流しながら唄う。(もちろんギターも弾く) はーあ、意外な、と思ってたら、2曲目は普通の弾き語り。で、その後にまたオケありの曲という風に、ほぼオケありなしが交互に続くみたいな流れだった。
なんというか男前の歌を唄う人という感じ。唄は美味かったし、声も良かったけど、なんとなくこっ恥ずかしい感じがしたのは俺だけだろうか?



3番手がいろちがい。男女混合3ピース。ここのボーカル&ギターの人は、出で立ちこそ無地のTシャツにジーパンと地味なのだが、華のある人だった。唄も上手だったし、なによりライブというものをよく知っている。
メンバー紹介時、自分の名前を「サカタ」と名乗ったのを聞いてピーンと来た。あ、もしやラ・ブルーズの坂田さんだろうか?と思い、後で人づてに確認したら(本人に確認する度胸なく)やっぱりそうだった。あーなるほど。
今日はお客の少ないゆるい感じのライブだったが、ステージを観てて彼はやっぱりメジャーか準メジャーの舞台の方が似合いそうだと思った。



この後、国吉亜耶子and西川真吾Duo登場。ちなみに今回はほとんどずっと撮影してて、あんまりライブに集中できなかった。もちろん音は聴こえてるし、カメラ越しにステージも観ているのに、なんでこんなに違うんだろう。未熟だからだろうか?
流れとしては1曲目に「こんなに大きくなりました」をやり、以降はアンテナやモメントリーからの選曲メインだった気がする。そっちはまだ手に入れてないので(ライブの後に買ったが)イマイチよくわかってない部分がある。
今日の出演者は全体的に真っ直ぐな歌を歌ってる人が多かったが、国吉さんの唄はやっぱり違う。あれだけストレートな言葉を唄っていて、どうしてこうも違うのだろう。声質だろうか?それもあると思うが、それだけじゃない。例えばMC中の何気ない言葉にも力がある。この人がニッコリ笑って「元気でいてくださいね」と謂うと、本当に元気でいようって思ってしまう。不思議な力のある人だ。この人あっての国吉亜耶子and西川真吾Duoなのは言うまでもないが、西川さんのドラムも外せない。このデュオをロックバンドたらしめているのは、まさしく西川さんの力だと思うし、単なる縁の下の力持ち的存在に終わらないものを持っている。パートが違うので何とも言えないが、天国における本間くんのような存在だと思う。良いデュオだ。



トリが秋山弘、31歳(?)、独身(?)、メタボ。カホン使いの相棒を従えてギターの弾き語り。途中からもう1人ギターのメンバー追加でトリオに。
「ダイエットは明日から」という曲がとても面白かった。説得力あったし(笑) XXLサイズのツナギのチャックが閉まらなかったという話は聞いてて涙が止まらなかった。
歌はなかなか上手かったし、喋りも軽快。外見で損している面は否めないが(失礼)、悪くない。でも好きというタイプでもないかな。個人的にはもっと悪どいステージやった方がいい気がするのだが。
カホンの相棒がとても上手だった。子供の頃はカホン奏者なんてただ適当に叩いてるだけの、到底演奏家とは呼べない人種だと思い込んでいた。でも今は、ちゃんとした奏者は巧みに音域を使い分けながら叩いているのがわかるようになったので、観ていてとても面白い。自分でもやってみたい。



今日は弾き語りのイベントというわけでもないのに、ベース皆無、ドラムキットを使ったのも国吉亜耶子and西川真吾Duoのみという、変わった取り合わせだった。ただ全体的に、基盤になっている部分は弾き語りに思えたので、それもまた致し方なしと思う。
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<ライブ(私)> 10/10

2009/10/11 21:00
老舗のジャズ系ライブハウス、新宿PIT INNに天国初進出。しかも対バンは盟友日比谷カタンを始め、大阪のDjamra、さらにメインアクトははるばるドイツから来たJohnny La Maramaと、やたらに豪華。楽しみである。


まずオープニングを飾ったのは日比谷カタン。国内最強のオープニングアクターである(笑)

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チロチロっとギターを奏でながら、いつもの調子でウスロヴノスチの切符切りを歌い、定番の「合言葉は?」の後にどう続くのかと思って観ていたら・・・何も起こらずに「ハイ・・・」と終了。ずっこける。
どうも段取り通り運んでいなかったらしく、本当は「合言葉は?」の後に天国のメンバーが入場してくる予定だったらしい。ひとまずウケは取ったか?
さて、兎にも角にも同じステージに立った日比谷カタンと天国。そう、彼らは今日、初の共演(同じステージでの)をするのである。以前も「一緒にやったらいいのに」という声が周囲から上がることはあったが、いかんせん互いの個性が強すぎるので上手くいかないであろうとして、これまで敬遠されていたことが、今宵ついに実現するわけである。

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まずは折角のPIT INNということで(?)フリーインプロヴィゼーションから始まり、そこから『道標』へ。これは動画にしてYou Tubeにアップしたので是非ご覧いただきたい。画質、音質は悪いが、様子はしっかり伝わると思う。
次に『猫ちゃんとお魚の話』。これはかなり激しさを伴ったプログレっぽい感じの曲だし、今日の客にも結構響いたのではないだろうか。こういう派手派手しい曲がバンド形式で演奏されると楽しいものだ。さすがに歌詞は聞き取りづらくなるが。
で、セッション最後の曲が『行ッタリ来タリ』。これまたお祭り騒ぎな感じで楽しかった。
ちなみに一緒にやるという話は、実は2日前に決まったそうで、カタンさんは大急ぎで曲を覚えた(本人曰く覚えたフリ)そうである。まだ完璧にモノにしてないということもあるのだろうが、カタンさんは基本的に控えめな演奏に徹して、上手に天国を引き立てていた。ま、明日もあることだし、カタンファンは明日が本番だと思えばいい。

カタンさん退場後、さらに3曲。『茶色い庭』と『集約』を演奏して、渡部くんが抜け、本来の構成で最後に『砂』。
立場こそオープニングアクトだったものの、今日は限られた時間の中で天国の魅力を余すところなく披露できたのではないかと思う。面白さ、演奏技術の高さ、歌の凄さ。どれも伝わったのではないだろうか?



続いて大阪発、骨折系ジャズロックバンド(梶山シュウさんがこんな表現をしていたっけか)Djamraの登場。なんだかんだで俺も生で観るのは初めてである。やっと観られる。嬉しい。
いざステージが始まってみると、想像通りの変態的な流れと、想像以上の楽しさにやられた。椅子に座って観てて損した。あれは踊って聴くプログレだ。楽しすぎる。
それにしてもジェットコースタージャズとはよく表現したものだ。まさしく急転直下のスピーディな展開に目を回す。特に面白く感じたのは、大体の曲に関して、楽曲のイメージについてあらかじめ説明がなされていたのだが、それを聞いてから曲を聴くと、本当にそういうイメージが脳裏に浮かんでくるのである。よく出来てる。
『紙一重』の最後が上手くいかずにやり直すという「ご愛嬌」があったものの、全体の印象としてはまさしく超絶技巧のオンパレード。それでいてテクニック一辺倒に感じさせない曲の楽しさが最高にいい。

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あれだけ小難しいことばっかりやっておきながら、終わった後にちゃんと口ずさめるフレーズが耳に残っているという点も特筆すべきだろう。Djamra恐るべし。また東京来る時は是が非でも行かなくちゃ。楽しかったー。



そしてメインアクト、西はドイツ、ベルリンからはるばるやって来た3人組、Johnny La Maramaの登場である。
正直なところ、観る前はちょっと不安であった。ピットインのスケジュールにある紹介文には色々面白そうなことが書いてあったものの、前衛とかフリージャズに偏りすぎてわかりずらいタイプなんじゃないかと思ったからだ。天国&カタンは言うに及ばず、Djamraも十分すぎるほどにエンターテイメント性の高いステージを見せてくれただけに、今更「芸術的」なステージを見せられても白ける可能性は高い。それが1番恐い。
・・・が、俺の心配は杞憂に終わる。最初は本当に心配通りなるんじゃないかって思ってみてたのだが、ライブが進行するにつれてどんどんその魅力が花開いていく・・・なんていうわけじゃなく、むしろ進むにつれてどんどん「こいつらなんなんだ?」という思いが強まっていく。フランク・ザッパ的なぐっちゃぐっちゃに色々混ぜ込んだ展開なんだけど、実際のところザッパ可愛く思えるくらいに変テコで、頭がおかしくて、どこかお茶目で、観ていてひたすら失笑しながら踊り狂う。そんな自分でも滅多にないオーディエンス体験をさせてもらった。
もうちょいしっかりした感想を言うなら、これまでに観た前衛的とカテゴライズすべきバンドの中では最も「成立している」バンドだったと思う。ペンギン人格よりも、でらくしよりも、盆ノ窪よりも。やはり基礎がしっかりしていて、多様な音楽を吸収しているからこそ、アホなことやってても成り立つんだろうな。

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今日のライブを観て、変態は褒め言葉だ、ということを改めて思った。キ○ガイも褒め言葉としての使用は容認すべきだと改めて思った。
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Tangerine Dream

2009/10/09 22:07
前々回のManuel Göttschingの記事で、最近電子音楽や現代音楽にハマっていると云ったので、そちら方面からまた1つ取り上げてみようかと思います。
また同じくジャーマンプログレのベテランなのですが、日本人にはより馴染み深いと思われる(?)『Tangerine Dream』の魅力について語ってみようかと。

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どうもジャーマンプログレとかクラウトロックと呼ばれるバンドには息の長い活動をしている人たちが多い気がするのですが、Tangerine Dream(以下タンジェリン)などはかれこれ40年以上も活動している大ベテランです。その間にメンバーも度々入れ替わり、現在は結成当初からのリーダーであるエドガー・フローゼと、息子のジェローム・フローゼによる親子グループになっているのも活動暦の長さの成せる業なのかと。

初期においては明確なメロディラインのない、電子瞑想音楽とも言うべき、良く言えば深遠な、悪く言えば難解な作品を発表していましたが、後々サウンドトラックの仕事を多く手がけるようになることもあり、作品の方向性もかなり聴きやすいものに変わっていきました。自分も初期よりは中期以降の方が好きなのですが、ファンの間では意見の別れるところのようです。
時期によってはれっきとしたバンド然とした布陣を敷いていたこともありますが、私はメロディからベースライン、リズムに至るまでエレクトロニクスで構成された楽曲の方に、より「らしさ」を感じます。(サックスなどの生楽器の入る曲も好きなんですが) そして、そういう曲にこそ、タンジェリンの魅力がわかりやすい形で凝縮されているように感じます。
電子音楽でありながら、テクノに代表されるビートありきの音楽とは明確に違っており、エレクトロニカのように音そのものを徹底的に追求したストイックな音楽というわけでもなく、丁寧に構成されたロマン派のクラシック音楽を電子的に解釈し直したかのような印象を覚えます。つい小難しい表現をしてしまいましたが、要は適度なポップ性を備えた、ドラマチックな電子音楽がタンジェリンの魅力なのではないかと私は思う次第です。(違った意見をお持ちの方も当然いるでしょうが)

私はある一面においては非常にポップス擁護派ですので、優れたポップセンスを持ったミュージシャンはつい高く評価してしまいます。それは単に聴きやすいから、受け容れられやすいからということだけではなく、ポップ性というものが非常にセンスの問われるものだと思うからです。独自の世界観を明確に打ち出しつつ、しかも音楽的に「よく出来ている」ものを作る作業というのは、並大抵のことではないでしょう。
シンセサイザーそのものが世に出て間もなかった時代から、様々な模索を続けてきた偉大な音楽家集団として、まだ知らない方はひとつ教科書を紐解くような気持ちで聴いてみてはいかがでしょう?かといって、そんな堅苦しく身構えて聴くようなものでもないのですが。


オフィシャルサイト(英語です。相当数の楽曲がフルバージョンで試聴できます)
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唱撃 其の弐

2009/10/03 10:58
今月24日、江古田クラブドロシーにて久しぶりにはぐレ企画でのイベントを行います。
タイトルは『唱撃 其の弐』
前回やりました『唱撃』の第二弾ということで、今回も歌に重きを置いた内容ということでお送りいたします。

出演者はGem High Quality、国吉亜耶子and西川真吾Duo、天国、NGATARIの4組。いずれもこのブログでは1度紹介済みなのですが、歌モノのイベントということですので、ボーカルに焦点を置いてもう1度各バンドについておさらいしてみようと思います。


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Gem High Qualityのボーカリスト、Aは私がこれまで観てきた中では文句なしにトップクラスのロックボーカリストであり、今回の出演者の中でも間違いなくイチオシの実力者です。爆音インスト隊に一歩も引けをとらない声量だけを取ってみても迫力満点。実はクラシックの素養もあり、幅広い音域に対応できるのも魅力です。その小柄な体から、あたかも黒人ソウルシンガーのような歌声が迸り出る様を、是非ともご覧いただきたいと思います。
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国吉亜耶子and西川真吾Duoはその名の通り国吉亜耶子と西川真吾によるデュオ。歌とキーボードを担当するのが国吉亜耶子です。彼女の歌は率直に言うなら「愚直」。真っ直ぐな詞を真っ直ぐに唄う。個人的にはそういう素朴さをウリにしているミュージシャンというのは、なんとなく嫌いだったのですが、彼女の歌に出会った時に「本物に出会えた」という感覚がありました。心を揺さぶる歌がここにあります。
今すぐ聴く1
今すぐ聴く2
今すぐ聴く3




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天国の宮国英仁は個人的に特に思い入れがあるボーカリストです。抜群の歌唱力を持ちながら、何が飛び出すかわからない、ライブの度に変化を見せるステージパフォーマンスの面白さ、奇抜さに目を奪われます。奇を衒わず、真面目に唄わせれば非常に上手な唄い手さんなのですが、自らそれを良しとせず、常にステージを面白くしようと動き回るエンターテイナーぶりに頭が下がります。生の音楽の面白さというものを体感してみてください。
今すぐ聴く



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最後にNGATARIのJessicaですが、彼女の歌はある意味でGHQのAの真逆に位置するかもしれません。明確な像を作って前面に押し出してくるのがAの歌とすれば、Jessicaの歌は空気のようにたゆたう捉えどころのなさを持っています。NGATARI自体がそもそも「空間系」の趣きを持ったユニットなのですが、その雰囲気にJessicaの歌が大きく寄与しているのは間違いないでしょう。「カラオケ上手」的な技術からは決して生まれない、妖精のような歌声を1度聴いてみていただきたく思います。
今すぐ聴く



以上の出演者が一堂に会する『唱撃 其の弐』の詳細は下記特設サイトから!
注意:クラブドロシーのホームページは現在リニューアル中につき、スケジュール確認が出来ません。是非特設サイトをご覧になってください。
唱撃 其の弐特設サイトへ
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Manuel Göttsching

2009/09/23 19:13
このところずっと更新を怠っておりましたが生きてます。今日は久しぶりにミュージシャン紹介でも。
最近はもっぱらテクノやエレクトロニカなどの電子音楽、それと一部の現代音楽にハマってます。中でも『Manuel Göttsching』(マニュエル・ゲッチング)は特にお気に入りの1人です。。

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Manuel Göttsching(以下ゲッチング)はジャーマンプログレの重要グループであるAshraの主要人物です。立場的にはギタリストですが、私は作曲家として非常にリスペクトしています。彼の作品で特にイチオシなのがASH RA TEMPEL(Ashraの前身)名義で出した『INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR』というアルバム。全編ギターのみで作り上げたエレクトリックトランスの傑作です。ロックファンに怒られるかもしれませんが、このアルバムを聴いた時は「ゲッチングはジミヘンに匹敵するエレキギターの天才だ」と思ってしまいました。テクニックや奏法ではなく、ギターの楽器としてのあり様、音の使い方という点において、大変に革新的な内容に思われます。
ただ実際のところ、楽器の使い方が革新的か旧態然としているかというのは、音楽家以外には案外どうでもいいことであって、一般リスナー側からすれば音楽的に楽しめるかどうかが重要な点だったりもします。ジミヘンがロックミュージシャン(プロアマ問わず)からあれだけ神格化されていながら、それ以外の人にとってあまり馴染みがない(偏見でしょうか?)のも、そういうことなんじゃないでしょうか?

それはさておき、ゲッチングの音楽は「聴くクスリ」とでも形容すべき、トランス度の高い作品が多いので、クラブミュージックなどにはもってこい、そういう音楽が好きな人には超オススメです。なにせ『E2-E4』というアルバムが発売当初は酷評されていたのに、ずっと後になってクラブDJたちに見出されたおかげで再評価されたなんてエピソードがあるほど。
そこに私個人の解釈を付け加えさせていただくなら、一般的なクラブミュージックが「踊る」ための音楽であるのに対し、ゲッチングの音楽は「飛ぶ」ための音楽という気がします。この「飛ぶ」は文字通りジャンプの意味もありますが、ハイになるといった意味合いで捉えていただければよろしいかと。特に低音を強調したリズミックな曲よりは、水面をたゆたうようなメロウな雰囲気を纏った曲が多いので、部屋を暗くして瞑想しながら聴いて心の中で踊るといった使い方の方が向いてるかもしれません(笑)

日本人がテクノを聴くなら、まずは電気グルーヴとかケンイシイあたりから、という偏見がなんとなく自分の中にはあるのですが、そのルーツを知るという点においても、ジャーマンプログレは外せないなーと思うのです。





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MANUEL GOTTSCHING/E2-E4 LIVE IN JAPAN [DVD]
Music mine eye D(P)(D)

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<ライブ> 福生カニ坂ロックフェスティバル

2009/08/31 20:42
生まれて初めて夏フェスに行ってきました。夏フェスと言っても、フジロックやサマーソニックなどの大イベントに比べればごくごく小規模なものですが・・・
それはともかく、この度足を運んできたのは、東京の福生市で行われた『福生カニ坂ロックフェスティバル』。その名の通り、福生のカニ坂公園という場所で行われたロックフェスで、29日と30日の2日間で開催されました。
自分が行ったのは30日。生憎の雨ということもあり、人の数は若干まばらな印象を受けたものの、皆さん非常に楽しそうにされてて、もちろんライブの方も大盛り上がりで、ローカルフェスながらなかなかの盛況ぶりでした。
入場無料なので通りがかって気になったらそのまま入って行けるという気楽さも良いですし、出店は飲食店だけでなく、アロママッサージなどのゆったりくつろげるタイプのお店もあり、老若男女問わず楽しめるように工夫を凝らしてあった点も評価したいですね。


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カニ坂公園の近くには玉川上水が流れています



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スタジオジブリの映画に出てきそうな樹が生えてます



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生憎の雨にもかかわらずたくさんの人が



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大盛り上がりのライブを見せていた「おたけび」



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途中からゲストボーカルを加えてさらにヒートアップ



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トルコ料理の屋台があったので行ってみました



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ジミヘン



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他のステージも良い感じに盛り上がってました



地域密着型というか、とにかくローカルなフェスだったことは間違いないですが、そんなことはお構いなしにみんな楽しめばいいじゃん、という感じのヒッピー精神(?)を感じるフェスでしたねぇ。きっと来年もやることでしょう。私もまた来年行こうと思います。
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<ライブ(私)> 8/19

2009/08/23 21:40
久しぶりにGHQのライブに殴り込みだ。ハコは御馴染み四ツ谷アウトブレイク。ここの昔気質なロック気風はともかく、決して嫌いなハコじゃない。イベントやるにはちょっと高いが。

今日はGHQCOREというバンドの2マンイベントなのだが、オープニングアクトとしてDxDxDx(ディースリーと読むようだ)というバンドが30分ほど演奏。俺が来た時はちょうど演奏が始まったばかりくらいだったのかな?音楽性はひたすらにラウド系ハードコアパンクな感じ。こういうバンドは多少下手でもいいと思うんだけど、テンポの速い曲ばっかりの中、みんな結構まともな演奏をしていたと思う。でもドラムのテンポがちょっと揺れ気味だったような気がする。
耳を劈く大爆音の中、ボーカル&ギターの人がデス声で色々とがなり立てていたが、いかんせん音がでかすぎて何言ってるのかはわからなかった。こういう鬱屈した感じの主張を持っているバンドこそ、歌をちゃんと聴かせるべきだろうという思いもありつつ、こういうバンドはやっぱりでけー音出してひたすら突っ走ってればいいのかなという気もする。それにしてもボーカルの人が職場の後輩にやたら似ていた(´ー`)
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続いてCORE。彼らもかなり音量のあるバンドだったが、音楽性はDxDxDxに比べてかなり多彩。序盤はメタリカを髣髴とさせるヘヴィなリフを聴かせる曲で攻めてきたので、てっきりその手のメタルバンドなのかと思っていたが、初期のドリームシアターを思わせるような展開があったり、マキシマムザホルモン的な面を覗かせたり、演奏は激しいのにボーカルラインはJ-POPっぽい爽やかさを持っていて、聴きやすい感じに仕上がっていた。
途中のMCタイムで、何故かアウトブレイクの新人スタッフ「すかちゃん」のネタになる。ボーカルの人がステージ降りて、バーカウンターまで行って注文しつつ、彼女がいるのかどうかなど、ひたすらすかちゃんイジリ。なんだこれ?(´ー`)
その後はまた気を取り直してガツンと元気のいい演奏を。なかなかにノレた。軌道共鳴ulma sound junctionなんかと対バンさせたらそれなりに盛り上がりそう。黒沢くんとか好きそうな気がする。ま、自分でそういうイベント組もうとは思わないが。
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トリにGHQ登場。今日はキーボード他サポートなしのコアメンバー4人。Aさんはちょっと雰囲気変わった?そうでもない?
最初はすっかりオープニングナンバーとして定着した感じの「Bridge」から。相変わらずリフがカッコイイな。そして前2バンドが隙間なく音を敷き詰めてくるタイプだったのに比べ、GHQの出す音は適度な空間があることに気づく。でも全然軽くはない。なによりもAさんのボーカルが飛び抜けている。やっぱこの人は半端ねー。
ちなみに1曲目から4曲目までの流れが3月にブーガルでやった時と同じだった。7拍子、6拍子、5拍子、4拍子という風に進んでいったからよく覚えているのだ。「Heart Song」もめっちゃ良かったなぁ。泣けるわ。
最後は2大人気タイトルの「Shining Place」と「Weeds」を続けて演奏。俺はめっちゃノリノリだったけど、みんな落ち着いて聴きすぎでないかい?GHQの客層って結構平均年齢高めだから気恥ずかしいのかもしれないが、あの音楽聴いてじっとしてるのは勿体無いと私は思うのですよ?
珍しくアンコール入って、曲名はわからないけど、とにかくめっちゃアゲアゲの曲(GHQの曲は基本的にアゲアゲだが)をやった。多分俺も1回くらいしか聴いたことのない曲だと思うが、これはマジでテンション上がる。もっと頻繁にやってほしい曲だ。
あー楽しかった。GHQのライブは本当にハズレがないなー。
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<ライブ(私)> 8/15

2009/08/16 21:09
NGATARI企画『Linus vol.5』を観に、渋谷の公園通りクラシックスに足を運ぶ。これまで通りがかったことはあるが、中に入るのは初めて。ビルの駐車場の中という変わった立地のせいもあり、入り口で迷った。
中に入ってみると、木を多用した落ち着いた感じのキレイなお店。すでに1番手のMuffinが演奏中だった。
彼らは5人編成のクラシック系(?)バンド。クラシックスでやってるからついクラシック系などと言ってしまったが、どちらかと言えば北欧、もしくは中国(だいぶ飛ぶが)辺りのトラディショナルソングっぽいことをやっている。終始スローテンポで落ち着いた雰囲気の曲。ボーカルの人のMCも極めて閉鎖的(笑)
ギター×2、ピアノ、ベース、ドラム+パーカッション色々、ピアニカ、フルートなど、楽器はたくさん使っていたが、全員が全員アクセントをつけないフラットな演奏で最後までやり切ってたので、正直ちょっと飽きた。多分あれは狙ってやってるんだと思うが、それにしても素朴に過ぎないか?
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2番目は天国の登場。最近の定番となりつつあるのか、まず本間くんが先に出て挨拶。そして「地獄」〜「道標」のメドレー。最近のライブの中では「地獄」の尺を長めに取っていた。クラシックスのイベントということで、まずは落ち着いたところから攻める作戦だろうか?「道標」が終わったら間を置かず「集約」。最近はすっかりやらなくなったけど、個人的には「道標」から「集約」に向かう流れは大好きだ。ここで急に宮國さんが点、点わめき出したもんだから、初めてのお客さんはちょっと戸惑ったかもしれない。最初に落ち着いた路線から来ただけに。それを思うと「のら」なんかで始まるライブはむしろ、あらかじめ「僕らはこんな事やりますよー」と告知しているようなもんで、親切なライブとも言えるかも。
次に「茶色い庭」。最近はすっかり定番と化してきた曲。これまで抑えるというのでもないが、全力全開な感じでもなかった宮國さんもそろそろエンジンかかってきたようである。コケッコッコー言ってた。うけけけ。終盤は相変わらず大盛り上がり大会で楽しい。この曲は是非とも動画に撮りたかったのだが、何の用意もできてない内に始まってしまったので撮れず。でも素手で撮ったらきっと手ブレが酷かっただろうし、この次までに三脚買って来て、次回万全の状態で撮ろう。
その後は久しぶり(?)に「踊る王様」を聴く。例の笑わせタイムでは唐突にジョン&ヨーコのモノマネ。恐らく本間くんもそれをやるとは聴いていなかったのだろう。彼の引き攣った笑いが今も頭から離れない・・・という程でもない。なんにせよ大人しめな今日の客もこれにはウケてた。
最後は「砂」。
それにしてもカメラ越しにライブを観ていると、思いのほか音に集中できないことを知った。目がカメラに集中していたところで耳は音を受信してるんだから同じことかと思っていたが、これが全然そうでもない。今後はライブを楽しみながらちゃんと撮影するテクニックを身に付けなくてはならんな。
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3番目は盆ノ窪という即興3ピースバンド。向かって左からコントラバス、アコギ、ドラムの3人。ドラムの人はNGATARIのサポートドラマーでもあり、本日ダブルヘッダー。
・・・まぁ、この手の音楽は初めてではないし、それなりに耐性もあるんだけど、良かったといえるほどのもんでもなく。ドラムは次から次へと色んなもの取り出しては様々な音を出してて面白かったし、コントラバスの人もたまに変な音出してて面白かった。でもギターは正直つまらんかった。本当はギター弾ける人ってのは見ててわかるんだけど、出してる音はトーシロが速弾きプレイヤーの真似して出しているものと一緒。しかもそれが延々と。ありゃつまらん。即興だから考えながらやるもんじゃないんだろうけど、それでももう少し出す音について考えて欲しい。
しかし、えっらい短い演奏だったな。20分もやってなかったと思う。それくらいがちょうどいいっちゃちょうどいいけど。


4番目は太田裕美という人の映像作品。「眠りの館」という5分ほどのショートムービーなのだが、最初なかなか始まらず、始まったら始まったで音が出ず。1回終わってからリピートでもう1回やってようやく音が出た。
5分ほどの作品だからネタバレしてもいいかもしれないが、一応それはしないでおこう。書けるところだけ書くと、人形劇。多分粘土細工だと思うのだが、衣装も舞台もすごくしっかり作り込んであって、動きもなかなかしっかりしてたし、あれはかなり手間のかかった作品だと思われる。BGMも本人の手によるものだそうで、そちらも良い雰囲気を作るのに貢献していた。
もうちょっとボリュームのある作品を是非とも観てみたい。


トリはNGATARI。彼らのライブを観るのもかなり久しぶり。久しぶりではあるが、いざ聴いてみるとやはり曲がいい。須山さんの書く曲はリズムもコードもひねりが聴いていながらも、ひねくれポップ、雑食ポップ系などと呼ばれるものとは明らかに路線の違うものだ。かと言ってプログレだとも思わないし、とても真摯な歌ものと思える。
ジェシカ嬢の声も相変わらず独特。まるで息を吸い込みながら発声してるんじゃないかと思うような、独特の「引き」感。もちろん歌唱力や声量に関しても申し分のないものを持っているのだが、この歌い回しはあんまり他にいないタイプだなぁ。
曲もいい、ボーカルもいい、サポートドラマーも抑えたドラミングで歌の邪魔をせずに支える、そんなNGATARIではあるが、ぶっちゃけどこか物足りない感もあった。きっといつも天国のライブを観ているからなんだろうけど、やっぱピアノにもっとパワーが欲しい。須山さんは本質的には作曲家で、ピアニストであろうとはしていない旨も打ち上げで話してたし、それだったらホント別のピアニスト、それこそ本間くんにでも弾かせるのもありかも。でも須山さんがいないNGATARIってのも変な話で、そこらへんがバンドってのは難しいよな。
でも今後の話として、1曲くらいはゲストピアニストを呼ぶ曲があってもいいのじゃないだろうか?観ている側の勝手な(それも失礼な)言い分ではあるが・・・
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<ライブ(私)> 7/31

2009/08/07 09:20
前の出演者の演奏が後続の演奏者の力をより引き出していく、そういうことが対バン形式のライブではたまにある。この日のライブはまさしくそういう類のものだった。次へと進むにつれてより力強さを増していく。3番手の天国でその流れはピークを迎えたに見えたが、最後は日比谷カタンの人間力に見事に吸収されてしまった感あり。さすがに手強い。
あまり言葉で語るのは無粋かと思うくらい素晴らしいイベントだったが、一応どういうことが起こっていただけでも簡潔に記しておこうと思う。


1番手の須藤かよはピアノの弾き語り。ウェブサイトのプロフィールに載っている写真がアコーディオンを持っている姿だったので、てっきりアコーディオンを弾く人だと思っていた。
オープニングでBGMに合わせて唄ったり、自己紹介の歌を唄ったりと、なんか弾き語りらしい弾き語りをしそうな人に見えたのだが、演奏が進むにつれて色んな面を出してきた。特に航さんと同じ山の民の匂いを感じる人だな、というのは個人的な感想。ピアノの弾き方というか、曲の構成に似通ったものを感じる。そう思っていたら、MCにて彼女も航さんや本間くんと同じく国立音大出身ということが判明する。道理でクラシックやプログレっぽい流れを感じたわけだ。
最後の曲では手元にあった本や楽譜を弦の上に置いて、プリペアードピアノを聴かせてくれた。ミュートギターみたいな音が出て面白かった。日頃プリペアードピアノなんて生で聴く機会は滅多にないけど、実際に聴いてみると面白いもんだな。もっと色んな物を使ったバージョンも聴いてみたい。ピアノには良くないらしいけど。


2番手の航は今日はサポートドラマーにMUMUの植村昌弘氏を迎えてのデュオ形式で。いつもよりもだいぶアレンジを変えてきて、テンポはやや速めに、インプロ的な要素も入れつつボリュームはたっぷりした内容。「マド」、「山頭火」、「ガレ」の3曲だけだったが、聴き応えのある演奏だった。
植村さんのドラムは結構手数系で、抑え気味に叩いている吉田達也という印象。手数は多いが音量は結構抑え気味で、航さんの歌を邪魔しない演奏になっていたのはさすがに練達のドラマーという印象を受ける。それでもやっぱりいつもよりは声を張り上げて唄ってたけどね。



3番手に天国。今日はサポートに渡部くんを迎えて3人体制。最初に本間くんが実写版サザエさんについて語る。4代目のサザエさんが誰かという話になり、答えが明かされないまま「のら」が始まる・・・が、宮國さんが唄い出したところでいきなり「4代目、観月ありさです」と明かす。何気にカタンさんが端の方で大ウケしていた。他に「猫ちゃんとお魚の話」の時でも宮國さんに対する本間くんの的確なツッコミが見事にウケていた。どうもカタンさんと対バンする時は1ランクレベルアップするね彼は(´ー`)
その後「こがねむし」で途中から渡部くんが入って3人体制になる。今回も事前に2〜3時間合わせただけだというが、緊張感のある見事なアンサンブルだった。宮國さんもすっかり体調回復して、ドラムが入っても全然負けない声量と存在感を発揮しておったし、この日の天国は本当に凄かったの一言。
新曲の「目隠し鬼」も披露されたが、これは結構プログレチックな曲。宮國さんのほわわんとした歌とハードな演奏の対比が面白い。
ラス前、「地獄」で渡部正人退場。「道標」で締める。



そしてトリに日比谷カタン。ここまでが圧倒的に面白すぎたので、さすがに今日ばかりは「いつも通りの笑い」を取って終わるかなーと思っていたのだが、いやはや、さすがはカタンさんであった。最後は彼の強さに諸手を挙げて降伏せざるを得なかったね。本当にこの日のカタンさんは巧いとか面白いとか言う以前に、強いという形容詞が最も相応しかったと思う。
このライブばかりはマジで言葉で語ると面白くないので語らない。一応出来事を列記しておくと、
・ウスロヴノスチの「合言葉は・・・」の後、トークではなく、野口五郎の「真夏の夜の夢」を演奏。考えてみれば今日のイベントタイトルだった。
・明日出演するイベントについての話と、そこで公開される映画用に書いたグランジ(!)の曲を披露。
・ラストは久しぶりに(?)「対話の可能性」。途中「畸形認メ申ス」が混じったりボサノバになったりする。
・アンコールで「週末のひととき」。



楽しい夜だった。集客があまり伸びていなかったのが信じられないくらいである。そりゃ平日だし仕方ないっちゃ仕方ないけど、勿体無いなぁ・・・
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<ライブ(私)> 7/12

2009/07/18 12:02
(今までは私的ライブレポートのタイトルはイベント名にしてましたが、今後は日付で統一しようと思います)

7月12日、しばらくぶりの荻窪velvet sun。考えてみればここに来る時はいつも天国のライブが目当てだ。今日もそう。スケジュールに目を通してみると、意外にも知った人の名前があったりして、他の日にも来てみようかという気にもなるのだが、なかなか実現しない。


今日の1番手は千夜子。ベルサンの常連の中では特に宮國さんが気に入っている人だが、俺は彼女のライブを観るのは初めて。てっきりシンガーソングライターの人だと思っていたのだが、ライブの様子からは、どちらかというと舞台系の人なんではないかという印象を受けた。実際舞台に出演もしているみたいだし。
ピアノの伴奏やシンセによるSEに合わせて語りを入れるというスタイルで、リズムというか"間"は存在したけど、明確なメロディを持った歌というのはほぼ皆無。それだけが延々と続くと飽きちゃうところだけど、コミカル系とシリアス系を上手に使い分けていたし、伴奏のレベルが地味に高かったから全然飽きなかった。千夜子自身の語りも迫力あったし。
おもちゃのギターを使ってたところが面白かったなぁ。あれ欲しい(´ー`)


2番手はタカスギケイというソロギタリスト。本間君が「ストイックなミニマル」と評していたが、まさしくストイックという表現がピタリとはまるステージ。ループマシンとエフェクターを駆使して、音数はそれほど多くなく、メロウな音色でちょっと眠気を誘う(いい意味で)音楽を奏でていた。
同じループマシンの使い手として梶山シュウさんなんかとは対照的なプレイだ。あの人は綿密に練り込まれた構成の中で音を増減させていて見た目にもすごく技巧的だし、なによりもポップな印象があるが、タカスギケイの場合は繰り返し言うがストイックな印象。それだけに玄人好みな感は避けられないけど・・・
そういえば前に地球屋で観たSparky Quanoという人の演奏も、ジャンルはだいぶ違うが同じような演奏形態でストイックな感じだったな。あの人は今どうしているだろう、などと思いながら聴いていたわけで、ふと思い出に浸る時間になってしまった。集中して聴いてね〜。


3番手に天国。今日は本間くんの衣装が黒じゃないし、髪も束ねていてそれが逆にラフな印象を与えていたが、そんなことはステージとは関係ないのでどうでもいい。
前2組、そして後に控えているOMINOUSも含めて今日はやたらと濃い面子が集結していたので、天国としては逆にやりやすかったのじゃないだろうか?実際楽しそうにライブしてたし。
今日は2度目の「茶色い庭」を聴いたのだが、初めて聴いた時よりも断然面白かった。特に終盤のクラシカルな部分でのお祭り感が楽しくて実にいい。この後半の盛り上がりぶりは「踊る王様」以降のヒット感がある。いいねいいね。詞も面白いし。
今日は彼らなりのマイケル・ジャクソン追悼ライブだったそうで、1曲目の「のら」の間奏部分で「BAD」(?)をラップ風に織り込んでみたり、「重力からの解放」の最後のラジオ部分(勝手にそう呼んでる)で一瞬マイケルシャウトを入れたりしていた。気づいたのはそれくらいだが、もしかしたら他にもマイケルな部分があったのかもしれない。
前に観た時は宮國さんがだいぶ調子を崩していて、いつもの声の張りが感じられなかったけど、今日はだいぶ持ち直した感じ。聞けばまだ完全に調子が戻ったわけではないらしいが、普通に聴いてれば普段と変わらないクオリティだったと思う。良かった。


最後のOMINOUSは演劇。まず見た目が濃い。黒澤明の「蜘蛛巣城」に出てくる森の妖怪みたいな語り部と、ピアノの上でくねくね踊るこれまた妖怪みたいな(失礼しっぱなし)ダンサーの2人の存在感がありすぎる。
内容は前衛舞台という感じか?正直話の内容は理解できなかったが、夢野久作などの昭和アヴァンギャルドの匂いを感じさせる話だった。おおまかに言えば水蜘蛛という水中に住まう蜘蛛が人間に恋をして(人間が蜘蛛に恋をして?)、蜘蛛が段々と人間の女性へと変化していくという話で、舞台の内容は主にその変容過程のエログロを描いたもの・・・だと思う。
よーするにアートな空間だったわけで、凡人には理解しきれない世界だったけど、
そんな悪くはなかった。ピアノの上で踊るという発想だけとっても面白いし、個人的にはやはり蜘蛛巣城の妖怪(´ー`)
でも後で調べてみたら、この妖怪さん(つくづく失礼)、実は漫画家で、ちょっとサンプルを見た限りはかなりすごい絵を描く人である。ついでにミュージシャンでもあるらしく、インディーズの世界ではちょっとした存在らしい。そうだったのかー!
ちなみにサックスが、前に新宿のゴールデンエッグで観たでらくしみたいな感じだなと思ってたら、最後のメンバー紹介ででらくしの人であることが判明。ぎゃふん。世間は狭い。
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<ライブ(私)> REBEL FOOD Vol.8

2009/07/12 16:35
▲s(ピラミッドス)を観に、中野のClub heavysick ZEROに赴く。ほぼ会場時間ピッタリに到着したのだが、リハが押しているようでまだ入れず。近くのブックオフで時間を潰してから再度行く。
受付を済ませ、とりあえず階下に足を運ぶと、ドリンクバーや物販コーナーがあり、その隣にはDJブースの設けられたラウンジ。DJがダンサンブルな曲を流しているが、これといって楽器はセッテイングされておらず。こっちは演奏スペースではないようなので再び階上に行き、メインフロアと表記された部屋に入ると、ぎゅうぎゅうの人。そしてステージではライブクルーの1番手、LAGOがライブを展開していた。

LAGOはシンセ、エフェクター、シーケンサーなどデジタル機器をふんだんに用いている一方で、ジャンベ、ディジュリドゥ、カリンバなどといったエスニックな生楽器、さらにギターとベースというオーソドックスな楽器も用い、カオシックなんだけど決してバラバラではない、統一感のあるトランスミュージックを作り上げていたすごいグループだ。
打ち込みのリズムと2つのジャンベが刻む生のリズムのぶつかり合い、ここから生まれるウキウキな縦ノリを浴びたらもう身体を動かさずにはいられない。またギターがすんごく良かった。ソロ的なプレイはほぼ皆無なんだが、ちょっとインダストリアルっぽい機械的な音色が彼らの音楽に非常にマッチしてたし、ポリリズムを入れるタイミング、コードのセンスなども気持ち良さ爆発。ぶっちゃけ打ち込みのリズムとあのギターだけでも俺は踊れるのだが、それでいて周りの音が全く邪魔にならず、きっちりプラスαの役割を果たしていた。
もう1つ注目したいのがフロントマンの吹くディジュリドゥ。これはもう超絶と言ってもいいんじゃないか?少なくとも俺が今まで聴いた中では1番巧いというか、業師である。これまで俺は「不確定な音」こそがこの楽器の魅力だと思い込んでいたのだが、ここで聴いたディジュリドゥの音はちゃんと音階を操っていたし、音の粒が感じ取れるほどにしっかりした演奏だった。ありゃすごい。
1曲が結構尺あったし、ラストまで途切れなく演奏が続いたので長く感じられたが、全然退屈はしなかった。唯一の不満は、混みすぎててあんまり飛び跳ねられなかったことくらい(笑)
いやーあ、いいもん観たわー。


次のライブまではメインフロアでもDJタイムに入る。こっちでは単にDJが皿を回すのではなく、トリオ形式でのミニライブ的な流れだった。メインとなる曲を流すDJがいて、カオスパッド(?)やミキサーを操る人がいて、ピアニカで即興演奏する人がいる。所謂ダブユニットだなこりゃ。なかなかクオリティも高くて、こんなのが転換中のBGMなんて贅沢だなぁと思った。
一方、ステージでは次のライブクルーである▲sがセッティング中、であったが、いつの間にか全員姿が見えなくなっていた。


やがてDJタイムも終了し、今か今かと▲sの登場を待っていると、スピーカーからダルブッカ、サックスの音が響いてきた。「ミザルー」だ。こりゃ明らかに▲sの演奏だが、彼らの姿はない。どうやら下のラウンジで演奏を始めたらしい。でも他の楽器はみんなこっちにセッティングされてるので、恐らく演奏しながら客を引き連れてこっちに上がってくるという寸法だろう。俺は最前列で観たかったので、そのまま我慢して待つ。そして▲s、ついにメインフロアに登場。
いつもの如く底抜けに楽しいステージだった。有名な曲も超マイナーな曲もみんなムードジプシー音楽になってしまう彼らのステージは、だけど強引さはちっとも感じられず、普通にウキウキ楽しめるところがいい。曲目は大体いつも通りだったと思うが、今日はグッズのCM(小芝居)を間に挟み挟み、笑いに溢れたステージだった。でもツッチーくんはちょっと喋りが硬いね。やはり喋りの時はカツミック伯爵の穴が大きく感じられてしまう・・・
今日はダンサー陣も豪華で、なんと計3人の踊り娘さんが登場。

〜以下独白〜
2番目に登場したダンサーTIDAは小柄な可愛らしい女の子であった。彼女はストールみたいなモコモコを絡ませたステッキを持って登場。俺は▲sのゴキゲンな音楽とTIDAのセクシーな踊りに合わせてウキウキと肩を揺り動かせつつ、小さなステップを踏むなどして楽しみながら観ていた。
やがてTIDAは俺の隣にいた男にステッキに巻きついていたモコモコを取らせ、それをイヤラシク彼の首に巻いてやるのであった。んまー公衆の面前ではしたない!と思っていると、TIDAは今度は俺の手にステッキを握らせ、「ちゃんと持ってるのよ」と念を押すようにステッキを持つ私の手をグッグッと押えると、何も持たず身軽になった身体で軽やかに踊る。俺は彼女の言いつけ(実際に口では言われてないが)を物の5秒で忘れ、ステッキごとゆらゆらと身体を揺らして踊りと音楽を楽しむのであった。そうしているとTIDAが俺の手を取り引っ張る。そして恐らく俺をぐるんぐるんと回そうとしていたのだと思うが、彼女のリードに応じるだけのキャパシティを全く持たぬ俺は、ただ自分勝手に身体を揺らすばかりで、我々の即興コラボレーションは見事に瓦解したのであった。
TIDAは俺の動けなさっぷりにさっと見切りをつけ、またステッキをちゃんと持ってるように念を押すと、また1人で踊り始めた。俺は外見上は変わらず音楽と踊りを楽しんで身体を揺らしていたが、内面では自らの駄目さ加減にほとほと嫌気が差し、俺はもう駄目だ、死んだ方がマシだ、カス野郎だ、とネガティブな想いを充満させ、今にも破裂しそうであった。
俺の大好きなパーカッショニスト、辻コースケは「リズム音痴の人やリズム感がない人など元から存在しない」をモットーにワークショップを定期的に開いているが、辻先生、ここに駄目な人がいました(´Д`)

そんなわけで今夜の▲sのライブは、最高に楽しかったけど、ちょっぴりほろ苦かったのであった。
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Devin Townsend

2009/07/01 19:33
無意識的に聴くと(もしくは改めて聴いてみると)いいなと思えるものがあるのに、意識的に聴くことがすっかりなくなった音楽ってありますか?
自分の中ではハードロック、ヘヴィメタルに分類される音楽がそれに当たります(以前も書いたような気がしますが)。別に嫌いになったわけではないのですが、なんとなく聴く気が起こらないジャンルになってしまいました。が、そんな中にも、今でも変わらずに愛好しているDevin Townsendというミュージシャンがいるので、今日はそちらを紹介しようと思います。

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ざっとプロフィールを紹介しておくと、デヴィン・タウンゼンドはカナダ出身の作曲家、ギタリスト、ボーカリスト、セッションミュージシャンであり、複数のプロジェクトで活動するバンドマンであると同時にレーベル運営やプロデュース業にも精を出す多忙なアーティストです。
彼の名が日本を含めて一躍世界に知れ渡ったのは、Steve Vaiのバンド『VAI』のボーカル・ギターとして抜擢されたことによります。孤高のスーパーギタリスト、Steve Vaiのギターを背にして全く色褪せない存在感を持ったボーカルと、Steve Vaiと同等に渡り合えるギターテクニックを持っていたことで、当時無名に近かったデヴィン・タウンゼンドの名は一躍HR/HM界に広まったようです。ですがVAIはアルバム1枚を世に出して消滅、以後デヴィンは自らのプロジェクトで活動していくことになります。

プロジェクトごとに作風の変わるデヴィンですが、全体を通して共通している特徴として、ウォール・オブ・サウンド的なヘヴィなサウンドが挙げられます。特に彼のソロプロジェクトの第一弾であるStrapping Young Ladでの轟音(むしろ豪音?)ぶりは『超怒級怒濤重低爆音』という無茶苦茶な邦題がなんら違和感なく受け入れられるほどです。(ちなみに2ndアルバムの邦題は『歌舞伎町から超鋼鉄重低爆音』(笑))
「メタルなんて音楽じゃねぇ!ありゃただの騒音だ!」と主張する人が今でもいるのかはわかりませんが、猛烈にヘヴィでありながら、耳に心地良いメロディアスさを持っている、かといってメロスピなどとは明らかに違う雰囲気を持っている独特なデヴィンの音楽は、日頃メタルに馴染みのない人でも案外聴きやすいのではないかと個人的には思っています。強烈な重低音と、詰めに詰めた音数によって、これ以上ないくらい重々しく仕上がったサウンドを背景に、肌が粟立つほどの美旋律を織り込むセンスは天才的と言ってもいいでしょう。

同時にウィットとユーモアを持ち合わせた人物でもある彼は、自らが笑い飛ばすような音楽を敢えてやってみせる(しかもクオリティが高い)というアイロニカルな一面も持ち合わせています。『史上最高の偽者パンク』という邦題がついたPUNKY BRUSTERというプロジェクト(内容的には当時流行していたメロコア系の音楽を敢えて踏襲したもの)がその顕著な例ですが、個人名義の作品でも時折そういう楽曲が見られます。
私はこの度デヴィン・タウンゼンドを紹介するに当たって、手持ちのアルバム(VAIを含む)に入っているライナーノーツを全部読み返してみたのですが、そういったアイロニーの発露の裏側には、彼が人間として根底に持っているネガティブさに起因しているような気がします。曲そのものは非常にノリが良く、底抜けに楽しいものが多い反面、歌詞の世界にはある種の絶望感や思考停止した人間への警鐘を感じるものが多い点など、音楽性から想起される剛直かつエキセントリックなイメージに反して、かなり繊細な人物なのかもしれません。恐らくはその両面どちらもがデヴィン・タウンゼンドであり、(そもそもアーティストという人種はすべからく二面性を持ち合わせているような感もありますが)その二面性ゆえに彼の音楽の特徴である「重」と「美」の絶妙なバランスが生み出されているのだと私は思っています。

どうも蛇足が本体を占めてしまったような内容になってしまいましたが、彼は本気で天才、奇才と呼ばれるだけの才気を持ち合わせた稀有なミュージシャンです。メタル、ラウドロック好きの人は是非、そうじゃない人はPUNKY BRUSTEROCEAN MACHINEあたりから聴いてみてください。





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<ライブ(私)>

2009/06/24 14:49
21日(日)、国分寺のモルガーナというハコに行ってきた。
目当ては未藍千紗だったのだが、この日のライブは全体的に濃ゆい出演者揃いで、ずっと退屈しなかった。集客こそ奮わなかったものの、内容としてはかなり面白かった。数寄者向きだけど。


最初にステージに上がった青柳嘉寛という男は、台に寝かしたベースを弓で弾いて、アンビエントっぽい音を出すという、なんとも珍妙なパフォーマンスを見せる。ちなみにベースはフェンダーの何かの5弦ベースだったが、それがわかったところでどういう性質を持ってるのか知らないから意味はない。
微妙にディレイだかリバーブだかのエフェクターもかけていたみたいだが、ベースを弓で弾くとこういう音が出るんだなぁという事実がまず新鮮だった。まるでタンジェリンのZAITを聴いているような気分。実際かなり似通った部分があったと思う。でも終わった後で「タンジェリンドリーム好きなんですか?」と聞いてみたら「存じません」と返された。ぎゃふん。
約20分弱の短い演奏だが、あんまり展開をつけた内容でもなかったので、それくらいがちょうど良かったんじゃないかと。もう1人くらいメンバー加えて、ちょっと展開つけたら面白いかも。


次に現れたLEONARD PUNKWIREという2人組は、前とは打って変わってとにかく得物の数が多い。開始前にざっとこちらから視認できたものだけでも、キーボード2台、アコギ、パソコン、ターンテーブル、エレキギター、シンセだかミキサーだかよくわからんものなどあった。実際に演奏が始まると、さらにハーモニカやピアニカなんかも出てきて、もちろん声も使って、とにかく2人だけでよくもまぁ色々とやるなぁという感じである。
ただ残念なことに、演奏のクオリティが低かったのである。やってることは面白いなと思える部分も多々あったのだが、歌もへたっぴだったし、楽器演奏に関しても初めて聴いて「あ、間違えたな」とわかるようなミスをするし、キーボードのフレーズはやたらセンスないし、とにかく「惜しいなー」と思いっぱなし。ターンテーブルの使い方や打ち込みのセンスなんかは悪くなかったので、もっと技術的な面で磨きをかけたらかなり見栄えのするデュオじゃないかと思ったのであった。


3番目に未藍千紗の登場。彼女のライブを観るのもしばらくぶりだが、変化はしているだろうか?
曲は「ロータスガーデン パート1」と「ニーナ」(即興含む)、「ザ・グレイ・オブ・ザ・ドーン」の3曲だけだったが、各曲の尺も長かったし、パフォーマンス的にも良かった。特に未藍さんのボーカルが、過去に観たライブに比べてだいぶ声に張りが出てきており、ぶ厚いサウンドにかき消されないだけの存在感を示していた。
続く即興のシーンでは禁欲的にならず、聴き手がそれなりに楽しめる範囲で音をいじくってたから全然退屈しなかったし、ハイトーンボイスの力強さもより増していたような。やっぱ声楽やってた人は違うな。
加えていつも定位置からほとんど動かないRaphyさんが、今日は結構動き回ったりなんかもしてたし、久しぶりに観る身としては色々楽しめた。曲のアレンジも微妙に手を加えてあったし、コーラスを入れたりする場面もあったりして、色々魅せるライブ作りがされていて楽しかった。


最後(?)はLOVE〜BEAR with ミクニというジャムバンドっぽい4人組。ダイエットしたマキシマムザ亮くんのようなディジュリドゥ奏者、昔の久保田利伸のようなベーシストなどがいて見た目にも濃く、これまで同様に濃い音楽性を期待できる。(もっとも1番濃かったのは彼らの常連客であると思われるパンク兄ちゃんだったのだが)
歌も入るが基本的には意味不明の言葉を叫んでいるという感じ、ギターはコードもへったくりもなく不協和音をかき鳴らす。ディジュリドゥは出せる音が限られてるし、それだけだと「うわぁ・・・」な感じなんだが、リズム隊がいい仕事をしていたので、濃ゆいながらも聴いてて辛くないライブだった。特にベース。出している音はベースというより完全にギターで、一体間に何を噛ましているのか素人の俺には見当もつかず。カシオペアのナルチョが歪ませたベースを弾いてたりもするが、あれはまだ元がベースとわかるのに対し、この人の弾くベースは本当のギターみたいな音が出る。不思議。ギターの弦張ってるのかしらん?でも低音部を弾く時は確かにベースの音がした。おもろ。
最初から最後まで直球皆無。高円寺のディープなハコでやっててもおかしくないライブであった。
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<ライブ(私)> 輪音-rinne-三日月に祈る

2009/06/17 18:14
急に暇ができたのでライブを観に行ってきた。もはや御馴染みの感も出てきた代々木Bogalooへ。
週の前半で天気も優れないとあって閑散としていたものの、時間が経つにつれてお客さんも段々集まってきた。


1番手は山田庵巳というソロミュージシャン。ライブを観るのは初めてだが、一応名前は知っていた。なんでも日比谷カタンのようなことをする人物だとか。ちょっと楽しみ。
こういう場ではあまり目にすることのない8弦のクラシックギターを抱えた優男登場。ちゃんと足台も用意してあるあたり、伊達ではなくちゃんとクラシックギターを学んだ人のようだ。適当なフレーズを弾きながら、そのまま曲が始まる。
囁くような声で唄い、語る。時折普通に話しかけてくる。自問自答する。ギターのフレーズや奏法からはやはりクラシックを学んだ人であることが窺える。
・・・うーん、やっていることはなかなか面白いのだが、日比谷カタンからの影響がそのままストレートに出すぎていやしないだろうか?もちろん元々こういう形でやっていたのかもしれぬが、聞けば日比谷カタンはリスペクトする人物であると云うし、やはり少なからずステージにもその影響は反映されているのであろう。ちょっと惜しい。もう少しその影響なりなんなりを自らのものとして昇華できたらもっと面白くなるのではなかろうか?あるいは本気でパロディに走ってみるのも一つの手だ。いずれにせよ、それなりに力がないと話にならないが、地力はあると感じたので、是非とももう一皮剥けるように頑張って欲しいものだ。


2番手は天国。宮國さんがここ数日体調を崩しているということで、ステージに悪影響がないか心配である。
1曲目は「道標」から。この曲の歌詞は基本的に「人よ」と「道よ」だけなのだが、今日はほとんどが「人よ」だった。個人的にはこういう歌詞が自由な曲があればいいのにと思っていたフシがあるので(詳しく語ると長いので割愛するが)、その点でも好きな曲だ。
ただやはり宮國さんの歌声は若干下り調子に感ぜられた。普段ならばこの曲は彼の超人的な声を存分に堪能できるのだが、今日はあまり伸びが感じられない。ボーカリストの命である咽の調子を壊していては仕方がないが。
続く「踊る王様」はなんか普段よりあっさりしていた。宮國さんの調子云々ではなく、いつもほど遊びや仕掛けがなかったという意味で。
3曲目に「のら」。2曲やってみて、やはり本調子の時と同様に唄うのが無理と見切りをつけたのか、ここらへんから宮國さんがかなりフリーダムな方向に行き始める。いつもフリーダムっちゃフリーダムな人なのだが、今日はいつも以上だった気がする。でもいつも観ている側としては、本来ならもっと正攻法で魅了できるところなのにと思う箇所もしばしば見受けられ、そこがもどかしかったりもした。とはいえ、本調子じゃないなりにやはり彼の歌声には力があったし、調子が出ないなら出ないで、やり口を変えて楽しませる柔軟さも評価できると思う。
それにしても「行ッタリ来タリ」は色々と笑わされてしまった。「ずっびずびずば」と「あイタ!」にやられた。あれはずるい。
ちなみにここで宮國さんは退場。最後は本間くんが1人で「地獄」を弾いて終了。美しく幕を引いた感じであった。


トリはLibra Chambreという大編成バンド。ボーカル、ピアノ、バイオリン、チェロ、コントラバス、フルート、クラリネット、ドラムの計8名。ブーガルのステージは横に広いので、こういうバンドが出演するには持ってこいだ。
編成的にクラシックっぽいことやるのかと思っていたが、案外そうでもなかった。クラシックの要素は確かにあったものの、フレンチポップっぽい曲もあれば、アヴァンフォークとでもいうのか、COMUSみたいなことをやってたりもしていた。きちんと整ったお行儀のいいライブを想像していたので、思ったよりも楽しめた。でもきちんと整ったお行儀のいいライブってのも間違いじゃない。退屈はしなかったが。
それにしてもやっぱりフランス語ってのはセクシーだなぁと思った。女言葉が特にそう感ぜられるのか、フランス語自体がそういう響きを帯びているのかわからんが、ある意味女の子の喋る大阪弁と同じくらいずるい。あれは武器だ。

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俺はこんなもんじゃない(OWKMJ)

2009/06/08 23:14
最近このブログを振り返ってみて「もっとジャンル云々抜きにして説明できるようにならないといけないなぁ」と思うようになりました。頑張ります。

今日は先日の私的ライブレポートにも書いた『俺はこんなもんじゃない』(以下OWKMJ)について触れたいと思います。

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OWKMJは2001年に結成されたバンドです。「俺はこんなもんじゃない」という変わったネーミングは、とあるスタジオに貼ってあったメンバー募集のチラシに書いてあったフレーズから取ったとか。
ギタリスト狩生健志を中心に、一時期は8人までメンバーが増えたこともあったそうですが、現在はサックス、ギター、キーボード、ベース、ドラム、パーカッションの6人編成で活動しています。

彼らの音楽性を敢えて一言で要約するならば「混沌」が最も適切ではないでしょうか。型にはまらないというより、型そのものを歪めて、さらにはその歪んだ型からはみ出すのもお構いなしに多種多様な要素を詰め込んだような音楽です。一応CDショップなどの取り扱い上のカテゴライズではプログレに分類されているようですが、一般的なジャンル区分におけるプログレからは相当はみ出しています。中でも最近の主流となっているプログレハードと呼ばれる音楽とは全く違うと思ってもらった方がいいでしょう。複雑ではあっても理路整然としているものではなく、非常にフリーな雰囲気の強い音楽です。
通常、バンドというものは違ったパートが同じリズム、同じコードの中で音を出し合い、調和させて音を作っていくものです。これは即興回しの際も基本的に同じだと思います。ところがOWKMJの場合、意図的に不協和音やズレを生み出し、わざとセオリーを壊している部分が多々見受けられます。かといって即興中心というわけではなく、セオリーを壊した中でアンサンブルは保たれているという、非常に高度なバランスの上に立っているバンドです。

前にペンギン人格というデュオを紹介したことがありましたが、彼女たちには作為的でない音を使って演奏をするというコンセプトがあったと思われます。故にライブはオール即興で、アンサンブルという面では皆無に近く(少なくとも意図的に構成されたアンサンブルはない)、非常に前衛色の強いデュオでしたが、OWKMJの場合は作為的でない音を使いつつも、それを練り上げてバンド用にアレンジしています。いわば不調和の調和を狙った音楽といえるかもしれません。前衛的でありながらも非ポップ的ではないという、一見矛盾した、でも聴いてみれば納得のバンドです。特に音源で聴いてみると、意外なまでに気持ち良くまとまったポップさを見出すことができます。

最近自ら最高傑作と言って憚らないニューアルバムをリリースしたばかりで、さらにリーダー狩生健志のソロアルバムもニューリリース中のOWKMJ。是非お試しあれ。


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<ライブ(私)> 点と展 vol.1

2009/06/07 10:58
しばらくぶりに俺はこんなもんじゃないのライブを観る機会に恵まれた。場所は奇しくも代々木Zher the Zoo。この所よく足を運ぶライブハウスだ。

俺はこんなもんじゃないは1番手。なんでも今日はパーカッションのツチダさんがトリプルブッキングだそうで、かなりさくさくした流れで進めていった。大体2曲〜3曲を続けて演奏しては短くMCを挟む感じで。「OWKMJのテーマ」、「題名のない音楽会」、「葬儀の日」など、最近発売になったサードアルバムからの選曲が主。
なんだか久しぶりに身体を動かして聴ける音楽を浴びた気がする。もうちょっとゆっくり楽しみたかったってのはあるが、観に来られて良かった。
それにしても相変わらず混沌としたステージだった。細かいところは後日、俺はこんなもんじゃないの記事を書くつもりなので、そっちの方で詳しく触れるとしよう。


2番目に表れたのがMr.Fingers!という6人組バンド。なんだか大人数のバンドが続くね。全員がお揃いのカワサキTシャツを着ている。当然ステージ衣装なのだろうが、バイク好きなのかね?前の方に立っていた人のギターは、BECKでコユキが使ってた3本ラインのムスタングだった。初めて見た。
なんとなく見た目からダッサいギターポップでもやるのかと想像していたが、これが大ハズレ。大音量でかっ飛ぶサウンドの奔流に凛として時雨を感じた。あれよりはもう少しストレートだが、ボーカルもちょっと甲高い感じで似た雰囲気だし、ギターの疾走感やちょっと捻ったリズムに共通項を感じる。きっと本人たちも言われたことあるんじゃないかと思う。どっちが早くから存在してるのかは知らんけど。
きっとダサいことをカッコよく見せることを知ってる人たちだ。もっと観てみたい。


3番目はソロで見汐麻衣という人のギター弾き語り。セッティングの時にドラマーの人もいたから「あれれ?」と思ったのだが、もしかして次のバンドのセッティングを出来るとこまでしてたってことだろうか?
見汐麻衣の曲はどことなく昭和を感じさせるタイプのものが多かった。と思ってたら3曲目くらいで高田渡のカヴァーをしていた。好きらしい。
つたないギターや、忘れっぽいMCや、歌声や、色々ひっくるめて可愛らしいステージだったと感じるが、良かったかと問われるとちょっと考え込んでしまう。
最後の2曲はやっぱりいたドラマー(同じバンドのメンバーらしい)を加えてのステージ。やっぱドラム入るだけで大分雰囲気が違うなぁ。でも基本的にはやっぱりゆるい感じ。


トリは今回のイベントの主催であるeuphoria。ギター、ベース、ドラムの3ピースバンド。彼らは珍しくロックインストのバンドだ。インストバンド自体は珍しくないけど、そういうのの大抵はジャズ寄りだったり、プログレ、フュージョン系だったりするのだが、彼らはそことはまた毛色が違う。同じ編成で年齢層も近めなこともあって、なんとなくMUDDY WORLDを思い浮かべたが、あれとも違う。やはりロックインストと呼ぶのが1番適切な音楽性であろう。
正直歌が入らないことが疑問に思える曲もあったし、唐突にぷつっと終わる構成に拍子抜けしたりもしたが、結構いい曲もあった。特に最後の曲とか。それくらい。
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<ライブ(私)>

2009/06/06 15:27
この日のライブはイベントタイトルがなかったのでそのままで。
初めて訪れる渋谷WASTED TIMEはバータイプの小ぢんまりしたお店。雰囲気はなかなか悪くない。でも2ドリンク制はいかがなものか?
開演前、客の入りはそこそこ。これぐらいが観ている方としては非常にリラックスできる。


1番手に天国。
宮國さん曰く荻窪のベルベットサンよりも狭いというステージ。元々の面積はそうでもないようなのだが、ドラムキットを始めとして色々置いてあるもののせいで、確かにそのようにも見える。果たして彼はどう動くだろうか?
1曲目は意外にも「猫ちゃんとお魚のはなし」から。こういう曲が初っ端に来ると、他のお客さんが引いてしまわないかと、つい老婆心を働かせてしまうのだが、ちゃんとやり切ってしまうから凄い。本間くんのどプログレなピアノに乗せて語られる、やっと完成したという猫ちゃんの物語。前世の猫ちゃんは哀れイワシ・・・(ネタバレするので控えます)
なかなか面白かった。
続いて「茶色い庭」という新曲。フライドチキンの骨のお話である(?) なんか天国結成以降に作られた曲って、物を食う描写が多いですねと宮國さんに言ったら、本人も自覚しているようで「当分控えます」という返事が帰ってきた。
それはそれとして、この曲は本間くんの作で、お得意の(?)ムード歌謡的な雰囲気からスタートし、後半はクラシックになる。なかなか面白かったけど、ちょっとまだこなれていない印象はあった。これはもっと煮詰めていけそうだ。
この曲に限らず、今日の天国は若干グルーヴし切れていなかった感がある。普段はジャムっていてもそう感じさせない、完全にキメの中でライブをこなしているようなステージを見せてくれるのだが、今日は相手のタイミングを窺っているのがはっきりわかってしまったり、本間くんが普段ありえないようなイージーミスをしたり、ちょっと天国のライブの中ではハズレだったかも。まぁ基本的なレベルが高いので、それでも楽しいんだけど。
それにしても最近「重力からの解放」がとてもいい。以前は「のら」などと同様、天国目当てじゃないお客さんの反応が心配になる曲だったのだが、今は本当に安心して、楽しんで聴いていられる。かっこいいという表現すら妥当に思えてくる。
最後は御馴染み「地獄〜道標」の流れで締め。ちなみにこの日初めて抱いた感想であるが、「道標」は実は沖縄を意識した曲ではないのか?それとも沖縄出身の宮國さんの地がたまたま出ただけなのか。生憎とこの質問はするのを忘れたので謎(誤解?)は解けない。


2番目はhippie happy hatという女性ボーカルと男性ギタリストのデュオ。終始ウィスパーボイスというよりは消え入りそうな声で唄う2人。演奏の音もやはり消え入りそうに小さい。曲調はどこかブルースっぽい雰囲気で、場末のバーが似合いそうな感じ。
楽器は大きい音を出すよりも小さい音を出す方が神経を使うと聞くが、この2人のライブは観ている方もかなり体力を消耗する。よくぞ緩急もつけずにずっとあの調子でライブをやり切ってしまうものだ。ある意味凄い。


3番目はfukoというバンド。ここの店長さんのバンドらしい。みんな演奏が上手くて安心して観ていられた。店長さんのボーカルは誰か有名な人に似ていると思ったのだが、その誰かの名前が出てこなくてなんとも気持ちが悪かった。
演奏が上手かった分、これといって抜きん出たものが見出せなかったのが残念。ポップスの世界は敷居が高いので、なんかもう1枚味付けが欲しい。


4番目の愛と誠は、以前宮國さんがソロで共演したやまぐちあいの別名義バンド。名前の通り愛(ボーカル、スチールドラム)と誠(ギター)の2人でやっているバンドなのであろう。そこにサポートでベースとドラムが入った4人組。
やまぐちあいの時はバンドの平均年齢もちょっと高めに見えたし、古風な日本の歌を唄うバンドだったが、こちらはもうちょい間口の広い感じで聴きやすい。見た目的にはオレンジペコーみたいなラウンジ系が似合いそうだなーと思ってたら、3曲目くらいでまさにそんな感じの曲を披露。愛さんの声もちょっと低めだし、やっぱりすごく合う。個人的にはこの方向性に特化しちゃっていいと思う。
ちなみにこのバンド、聞けば4年ぶりくらいに始動したそうである。ドラマーは新メンバーだそうだし、まだバンドとしては若干固さが見られたのも事実。みんな十分上手かったんだけどね。
振り返ってみると、ミキコアラマータがいかにグルーヴしていたバンドだったかがよくわかる。再評価してまた観に行ってみようかしらん。


トリは鎌田ひろゆきという、ソロではなく3ピースのバンド。フロントマンはもちろん鎌田ひろゆき氏。まぁおっちゃんバンドである。そして辛辣な言い方をさせてもらえば、ロックの残骸だなありゃ。きっと3人とも少年時代からのロック野郎だったんだろうけど、きっとそこから先に進んでいないんだろう。
よく知りもしない人のことをこれ以上悪し様に言ってもしょーがないのでよすが、でもあのドラムはないわ。ずーっとぺもぺもとへなちょこな音を出してるもんだから、もしかしてドラムキット壊れてんのかなと思ったくらいである。でも考えてみれば、前のバンドの演奏ではちゃんとした音を出していたわけで、要するにドラマーの問題だったわけである。フレーズも平凡なのばっかだったし、あらためて、あれはない!以上。

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Otograph

2009/05/28 16:44
中古レコード店に行くと、ついついロック・ポップス関連の棚を中心に見て回る癖がついてしまっているのですが、エレクトロニカなどの棚があるお店ではそちらもよく見ます。しかしこのジャンルは狭く深い世界ですし、どこから情報を得ればいいのかもわからないので、もっぱら勘を頼りに聴いています。
最近買った中で、これは当たりを引いたなと思ったのが『Otograph』というユニット。

画像


Otograph井浦崇大島幸代の2名からなるユニットです。単なる電子音楽ユニットではなく、音響/映像ユニットを標榜しており、視覚イメージと音を組み合わせた作品の発表すると共に、ライブ活動も行っています。
『音楽にインスパイアされた絵画や、ビジュアルイメージから作られた音楽の歴史をふまえ、人の内的世界に存在する“音”や“画”を現代のテクノロジーを用いて可視(聴)化させることを試みてきた。音楽的に構成された風景映像や「動く音」など、人の感覚と記憶が織り成すさまざまな光景を生成し、発表している。』

と公式プロフィールにあるように、彼らの音楽は様々な思惑、特にビジュアルイメージが込められていると思うのですが、リスナーの立場として言わせてもらうと、それを意識しなくても十分に楽しめるだけのクオリティがあります。一音一音に徹底した作り込みを感じるストイックさが滲み出ているのですが、それが重苦しくなく、むしろ気持ちのいい音の奔流に意識をたゆたわせて、ぼんやりしながら聴きたくなる音楽です。そういう意味ではトランスミュージックとも言えるかもしれません。

以前同じくエレクトロニカ系のミュージシャンでrei harakamiという人を紹介したと思いますが、最初にOtographの音楽を聴いた時、この人の作るものと似ているな(音色というレベルで)という印象を受けました。それと同時に両者の違いとして感じるのは、rei harakamiの音楽は非常に整理整頓され、贅肉を削ぎ落としたモノクロの幾何学模様のようなイメージを想起させるのに対し、Otographの音楽は元々が視覚イメージと音楽との融合を意図しているせいか、もっと色彩豊かなイメージです。ただしそれはカラフルとか極彩色というのイメージではなく、適度な空間を感じさせる適色適所(造語)な彩色を感じさせます。
エレクトロニカ系の音楽というのものは、とかくこういった抽象的な言葉で表現したくなってしまうのですが、元々右脳で聴くための音楽だと私は思っていますので、無理に理屈をつける必要もないでしょう。

それにしてもこういう音楽を聴く時にいつも敬服してしまうのが、クリエイターの創造意欲と言いますか、熱意と言いますか、とにかくたった1曲ができるまでにクリアしなければいけない膨大な作業量が想像できてしまって、よくもまぁここまでやるなと思ってしまいます。それでもよく出来ている作品には共通して、ある種のスマートさを感じます。作り込んだものを詰めに詰め込むのではなく、切るところはスッパリと切り捨てる潔さのようなものですが、それこそがセンスなのかもしれませんね。





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