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音海ダイバー
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アンダーグランウンドなフィールドで活躍する力のあるミュージシャンの紹介、メジャー系ミュージシャンにおいてはその価値の再発見を目的とした、音楽系ブログです。
国内外、ジャンルを問わず、誰かが「イイ」と言う音楽なら、そこには必ず見るべき点があるはず。そういう点を掘り下げていける記事を書いていきたいと思っています。
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サブカルヒステリーアワー2 続報

2008/08/18 22:27
さてさて、ここ数回は出演者の紹介も踏まえてそれとなく宣伝してまいりましたが、はぐレ企画主催イベント第三弾『サブカルヒステリーアワー2 劇場型音楽テロリズム』も、開催まで残り1ヶ月ほどになりました。この場を使って改めてイベントの詳細、ならびに追加決定項目などをお伝えしようと思います。

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上の宣伝用イメージをご覧になればわかると思いますが

日時:9月23日(火祝)
会場:新宿たかのや
時間:開場17:30/開演18:00
料金:2000円(+1ドリンク)
出演:locolo code、日比谷カタン、ペンギン人格、天国、る*しろう(順不同)

となっております。夜のライブとしてはちょっとスタートが早いですが、5組出演のたっぷりしたイベントですので、多少遅れても気にせずいらっしゃってください。

なお、会場となるたかのやには写真や絵を展示できるウォールギャラリーがあり、そちらを利用して今回のイメージ画を描いてくださったmori-cymさんの作品をいくつか展示する予定です。非常に切れ味鋭いセンスを持つmori-cymさんの作品を生で観られる機会はなかなかありませんので、かなり貴重です。しかも今回のイベント用に描き下ろされる作品もあるようですので、そちらもお楽しみに。

それともう1点サプライズ・・・なのかどうかわかりませんが、当日はもしかすると私がDJとして転換時のBGMを担当するかもしれません。まだこちらは未確定です。はっきり言ってDJは素人なのですが、折角自分で手がけたイベントですので、せめてこういった雰囲気作りの部分だけでも寄与できたらなと思っています。
もし当日、私がぎこちなくターンテーブルの前であたふたしてましたら、どうぞ生あたたかい目で見守ってやってください。


はぐレ企画
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日比谷カタン

2008/08/16 17:17
前回、前々回と『サブカルヒステリーアワー2』の出演者に焦点を当ててきましたが、今回がその最終回(locolo codeる*しろうに関してはすでに紹介済み)です。

『日比谷カタン』というミュージシャンに私が初めて出会ったのは去年の12月のことですが、鈍器で頭を思い切り殴られたかのような衝撃的ステージだったことを、今でもありありと思い出せます。
これまでも様々な要素を内包した一概にカテゴライズできない音楽性の持ち主を紹介してきたと思いますが、日比谷カタンの場合は単純に音楽ジャンルだけでなく、その精神性においても実に多種多様な要素が渾然一体となっており、ある種妖怪じみた雰囲気すら感じる人もいるのではないかと思います。
アコースティックギター1本抱えて唄うというスタイルは一見なんら珍しいことのないオーソドックスな弾き語りに映るのですが、ひとたび演奏が始まってしまえば到底弾き語りで片付けるのは不可能。芝居がかった口上、多重人格であるかのような千変万化する声色、超絶技巧のギタープレイ、複雑に展開するポストプログレ的楽曲といった要素が濃密に絡まり合い、ソロでこれだけのことをやってのける技量と引き出しの多さには感心を通り越して畏敬の念すら覚えます。

見方によってはどこかグロテスクで同時にエロティシズム漂うその雰囲気には(本人はむしろビジュアル系を思わせるイケメンなのですが)馴染めない方もいるでしょう。ですが意外にもそのキャラクターは非常に腰が低くコミカルで、MCになるとその巧みな話術と可笑しなキャラクターでたちまち爆笑を巻き起こしてしまうという、芸人じみた一面も持ち合わせています。
昭和歌謡、シャンソン、怪奇小説、シュールレアリスム、アキバ文化、お笑いなどの要素が出鱈目に顔を覗かせる彼の音楽は、異様なのに不思議とエンターテイメント性を強く感じさせられて、それこそが日比谷カタンというミュージシャンの秀逸な点なのだと感じます。ある意味とても日本的でありながら、海外での評価が高いのもそういう点が面白いからかもしれませんね。
怖いもの見たさでも構いませんので、彼のライブには是非とも1度足を運んでみることをオススメしますよ。





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天国

2008/08/11 21:51
今日はちょっと趣向を変えて宗教的な話を・・・するわけではなく、『天国』という名前のユニットを紹介します。

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天国はボーカルの宮國英仁(彼は以前『南風亭こま』としてここでも紹介しています)とピアノの本間太郎による歌謡(?)ユニットです。

自らの音楽を大衆音楽と自称しながらも、あたかも演劇を観ているかのような錯覚に陥る独特のステージは圧巻の存在感があります。ボーカルとピアノのみという極限まで音数を削り落とした形態ながらも、クラシックからフォークにジャズ、果ては現代音楽まで様々な要素を加味した楽曲には物足りなさは微塵もなく、むしろライブ毎に違った変幻自在な展開を見せるなど、スリリングで何が飛び出すかわからない魅力があります。

そういったステージの見せ方も彼らの魅力ですが、やはり天国のサウンドの中核を成しているのが宮國英仁のボーカルです。骨太で圧倒的な声量を持ち、喜怒哀楽を自在に使い分けるの彼のボーカルはまさに天性のもの。声楽などの経験はおろか、ボイストレーニングも特に受けた経験がないというのが信じられないほどにその声はエネルギッシュで、同世代でこれだけの力量を持ったボーカルはちょっと見つからないと思います。
そこにクラシック畑出身でJ-POPバンドも経験している引き出しの広い本間太郎のピアノが絡むことで、独自性の強さと聴きやすさのバランスが取れた音楽になっています。
彼らの音楽を聴いてそれを大衆音楽と感じるかどうかは人それぞれの感性に委ねることになりますが、仮に天国の音楽を非常にアート色の強いものと感じる人がいても、疲れたり飽き飽きしてくるということはまずないだろうと私は思っています。

創造力に溢れ、同時にエンターテイメント性も兼ね備えた私個人としても非常にお勧めのユニットです。9月に行うはぐレ企画のイベント『サブカルヒステリーアワー2 劇場型音楽テロリズム』にも出演が決まっていますので、お時間のある方は是非いらっしゃってみてください。





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ペンギン人格

2008/08/09 01:58
ご無沙汰しています。多忙に加えてPCの調子まで悪くなってしまい、すっかり更新を怠っていました。
ですがお盆の季節に入りまして、私も束の間の休暇期間に入りました。思い切ってPCも買い替えましたので、今月はドシドシ更新していきたいと思っています。

夏と言えば一般的には爽快感のあるアップテンポの曲が好まれる季節ですが、私の場合ですと、今年は夏バテで気が変になったのか(笑)、どうも尋常じゃない音楽にやたらと飢えている状態です。尋常じゃない音楽といったら個人的に是非とも紹介したいのが、今度のはぐレ企画のイベント、『サブカルヒステリーアワー2 劇場型音楽テロリズム』へも出演が決まっている乙女系即興デュオ『ペンギン人格』です。

テルミン奏者の賃貸人格と、このデュオでは主にギターを担当しているDJペンギン(別名Cat-rat)の2名が、ほぼ即興のみで繰り広げるライブパフォーマンスはまるで前衛派の演劇のごとし。どうなるか予想もつかないまま展開していく演奏を聴いていると、脳内に直接不協和音が鳴り響くような不安感に襲われるのですが、どういうわけか、しばらく聴いているうちにふと、癒しのような安らぐような気分に陥ることがあり、それがなんとも不思議だったりします。でも私個人としては、基本的に彼女たちの音楽は「癒さない系」だと思っています(笑)

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基本はテルミン、ギター、そして唄を中心に演奏していくのですが、状況に応じてピアノ、ドラム、フルート、クラリネット、鍵盤ハーモニカ、おもちゃなどなど、実に色々な楽器や道具を使って音を出していく様は、ある意味で正統派(?)の前衛音楽と言えるのかもしれません。(前衛に正統、異端などの括りをつけること自体が本来間違っているのですが)

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可愛らしく着飾った外見とは裏腹に出す音は破壊的でとっつきにくいのですが、やたらとダジャレの絡む唄だったり、演奏風景そのものが妙に滑稽で、結果的に親しみやすい(というか憎めない)空気を作っています。それが意図したものかどうかはわかりませんが・・・

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まぁどんなに言葉を尽くしてみたところで万人ウケするタイプの音楽ではないのですが、こういった技術的にしっかりしている人たちが見せる「ぶっ壊した」音楽には、私個人としてはなんとも言えない魅力を感じます。

『サブカルヒステリーアワー2』ではペンギン人格を始めとして、いずれも尋常ならざる独自の世界観を突き詰めたミュージシャンが並び立ちます。刺激の欲しい人、夏フェスがピンと来ない人、怖いものを見たい人などなど、是非ともお越しください。


賃貸人格オフィシャルサイト
Cat-rat(DJペンギン)オフィシャルサイト
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サブカルヒステリーアワー2

2008/07/21 19:17
どうもご無沙汰しています。最近プライベートの時間がなかなか取れず、ほぼ寝るだけで終っているジンボです。
さて、唐突にお知らせなのですが、はぐレ企画による第3回目のイベント開催が決定しました。
そのタイトルは『サブカルヒステリーアワー2 劇場型音楽テロリズム』

前回のサブカルヒステリーアワーの続編として、やはり少しアングラな匂いを感じさせる、そんじょそこらではお目にかかれないミュージシャンを集めたつもりです。

出演はlocolo code、天国、ペンギン人格、日比谷カタン、る*しろうの5組です。出演者が多いですし、内容的にもかなりたっぷりとしたものになると思います。

9月23日、新宿たかのやでの開催となります。まだ時間や料金などは未定ですが、決まり次第またこちらでもお知らせします。並行して特設ページも制作中です。
どうぞお楽しみに。


はぐレ企画
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<一曲一会> Hocus Pocus

2008/07/10 21:07
梅雨がまだ根強く勢力を維持しているとはいえ、西日本ではもう盛夏の兆しが見えてきているようです。熱中症にはくれぐれもご用心を。重篤な症状にまで達すると命にかかわります。甘く見ないように。

さて今日の一曲一会はFOCUS『Hocus Pocus』です。
FOCUSは今から30年以上も昔にオランダで結成されたバンドなので、日本ではコアなプログレファンでもないと名前を知らないかもしれませんが、この「Hocus Pocus」という曲は彼らの代表曲であり、世界的なヒットを飛ばした作品でもあるので、これだけは知っているという方もいるのでは?
ヘヴィで攻撃的なギターリフと、タイス・ファン・レーア(原語の発音に忠実な表記だとタイスではなくティッジスになるようです)による血管の切れそうな凄まじいヨーデルでの歌唱がこの曲の持ち味。スタジオ版もいいですが、なんと言ってもライブでの凄まじさは筆舌に尽くしがたいです。曲が進むにつれてどんどんテンポアップしていきながらも、その度にむしろアンサンブルがまとまっていく様は彼らがライブバンドとして優れていたことも証明しています。
そして忘れてはならないのがタイスのヨーデル。日本ではこの曲に『悪魔の呪文』という放題がつけられただけあって、レイヨロレイヨロと歌われるその文句は何やら呪術的な響きを帯びているのですが、それでいて同時にとてもコミカルに聴こえてしまう可笑しさも孕んでいます。名盤とされるライブアルバム『AT THE RAINBOW』のバージョンでは、曲後半にヨーデルによるメンバー紹介までしてしまいます。
70年代のプログレッシヴロックの世界では様々な実験的な試みがなされていたとはいえ、こんな曲はちょっと他になかったんではないかと思います。

最近の話ですが、ちょっと変わったところでコナミの音楽シミュレーションゲーム『GUITARFREAKS & drummania』の最新作にこの曲が収録されました。それと以前紹介した『内核の波』もこの曲を独自のアレンジでカヴァーしています。
ギタドラでのバージョンは2分弱ほどのショートバージョンながらライブの感じがよく出ていました。内核の波のバージョンではタイトな演奏に磨きをかけて原曲以上にハードでエッジの利いた内容になっています。どちらもなかなかオススメです。


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<一曲一会> PLANETES

2008/07/03 19:18
ここ最近忙しくてなかなか更新ができませんでした。まさしく寝る間もないという状態で音楽もあまり聴く暇がなかったのですが、何故かその間もCDだけは増え続けています(笑)

さて、今日の一曲一会は黒石ひとみ(名義上は別名のhitomiになっているが、avexのhitomiと区別するためにこちらで統一)が唄う『PLANETES』です。

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アニメ『プラネテス』のクライマックスシーンで流れる曲で、教会音楽のような荘厳さを湛えながらも、清らかで美しい歌声が胸を打つ名曲です。
曲の特徴としては、インストゥルメンタルはあまり目立たず、重厚に重ねられたコーラスがボーカルパートだけでなく、曲全体を覆っているような印象が挙げられます。まるでエンヤのように幾重にも重ねられたコーラスはまさしくウォールオブサウンド。透明感のある儚げな声がオーバーダビングによってとても力強く、さらに母性的な優しさも備えて耳に届きます。正式なバージョンは8分超にも及ぶ長い曲なのですが、聴いていて疲れるようなこともなく、むしろふんわりとした雰囲気にとても安らぎます。

シングル化はされておらず、アニメのサウンドトラックでしか聴けないのでアニメを知らない人にはちょっと手が出にくいかもしれませんが、和楽器を大胆に取り入れたアニメらしからぬサントラも魅力十分です。単体で聴いてみて気に入ったら、是非そちらも合わせてどうぞ。


You Tube
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<一曲一会> stringstream

2008/06/21 22:45
今日の一曲一会はlocolo code『stringstream』です。(locolo codeに関しては以前の記事を参照してみてください)

『stringstream』はライブでも定番になっている、彼らの人気曲の1つです。一拍ごとに変わるコード進行、息継ぎなしで淡々と続くボーカル、自由に緩急をつけたリズムが生み出すねじれた雰囲気は、まさしくロコロ節とも言うべきもの。
ライブではリーダーの粟津が指揮者のようにその場でリズムを自由に変えていくなど、見た目にも楽しい演出のある曲なのですが、これが音源で聴くと全く違ったアプローチになっており、ライブとは違った面白さがあります。これは彼らのミニアルバム『ねじれのいち』に収録されている曲全般にわたって言えることなのですが、ライブに比べて音源の方ではエレクトロニカ寄りと言うか、かなり無機質なアプローチを取っており、バンドの曲と言うよりはむしろソロのクリエイターが打ち込んで作り上げた作品であるかのような雰囲気があります。

転々と変化していくコード進行からは最初は忙しい感じの印象を受けますが、よくよく一つ一つの音に耳を傾けてみると、基本的に柔らかでメロウな雰囲気の音を用いていおり、淡々としたボーカルとの相乗効果で一種の催眠効果すら感じます。そういう点では一種のトランスミュージックと考えてもいいのかもしれません。
ライブでのlocolo codeは新世代アートロックといった趣の、悪く言えばちょっと取っ付きにくい印象のあるバンドですが、音源で聴いてみるとテクノやエレクトロニカが好きな人には非常に好まれそうな感じです。こういったライブと音源で全く違うアプローチを取る形もなかなか面白いように思います。


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FROG & TRIPPERS

2008/06/18 21:53
「上質な音楽とは?」と問われたら、皆さんはどんな音楽を、あるいはどんなミュージシャンを思い浮かべるでしょうか?言葉の捉え方や音楽の好みによって色々な答えが出そうですが、私の場合はまず「巧い」ということが挙げられると思います。それはテクニックよりもセンス的な面であって、言い換えれば「ツボをついた」演奏やアレンジがなされた音楽を巧い=上質だと思うのです。
今回紹介する『FROG & TRIPPERS』(以下フロトリ)はまさしく私が思う「上質」の条件にピッタリ当てはまるバンドです。

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フロトリはリーダーのホリオタダシ(Vo,G)を中心に東京で活動している4人組バンドです。今年で結成18年目を迎えるベテランです。と言ってもベテランらしく枯れたブルースをやっているわけではなく、ビートルズとそのフォロワーたちに影響を受けたポップ路線を、当初から変わらずに追求し続けているようです。
彼らの音楽は一言で言えば「ひねくれポップ」。変拍子やリズムチェンジを好んで用いながらも、音から受ける印象はあくまでポップ。特定のパートが目立ちすぎることなく、アンサンブルの中でこそ生きる絶妙のフレーズをそれぞれのパートが奏で、決して超絶ではないながらも、聴いていて思わず唸る巧さを感じます。

ポップと言うと、とても大衆的で、こだわり派の音楽ファンにはちょっと物足りない音楽のように思いがちですが、
少なくともフロトリの提唱するポップにはそれ以上のものを感じます。
彼らが2005年から定期的に行っているイベント『ひねくれPOPひねPOP』で提唱しているひねくれポップの定義とは
『ジャンルに関わらず、素敵な『ひとひねり』(あるいは2ひねりでも10ひねりでも)のある音楽こそ真のポップなり!エレポップもプログレもバカラックも!そんな素敵音楽の総称 =『ひねくれPOP』なり』
というものでした。実験音楽的にでなく、あくまでも曲を活かすための素敵なひとひねりを持つポップミュージック。それがフロトリが常に追求し続けている音楽の形なのでしょう。
ちなみにライブでは結構ロックしているバンドなのですが、音源の方ではどんよりとサイケな雰囲気を持つ曲やエレポップっぽいアプローチの曲も入っており、家でじっくり聴くのにもお薦めです。
フリッパーズギターコーネリアスあたりのオシャレでオタッキー(笑)なポップスが好きな人には特にオススメ!(多分)

最後にフロトリの記事を書く上で真っ先に頭によぎったビュークのコメントを引用させていただきます。(このコメントはビュークの1stアルバム『デビュー』の日本盤のライナーに収められています)
音楽はもっと、映画に近い何物かなのよ。(中略)そう、音楽はもっと予想できない何か―なんだわ。なのに、最近のポップ・ミュージックというのはとても臨床的で無菌的で貧弱。あまりにも粗悪なポップスが幅をきかせているから、人々は音楽の持つマジックを信じられないでいるのよね

私たちが日頃親しんでいるポップ・ミュージックの多くが粗悪品であるという辛口なコメントですが、ポップスがつまらないと感じている人こそ、実は本当に優れたポップ・ミュージックを聴いていないのだという意見にも聞こえます。
とりあえず最近のJ-ポップに着いていけないアナタ。フロトリ聴いてみてください。


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日本ひねPOP協会
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今日のチラシ 12

2008/06/08 19:01
最近あまりやってなかったですが、久しぶりにフライヤーからの紹介をしてみます。
少し前に高円寺にライブを観に行った時に山のようにフライヤーをもらったのですが、さすがにそれを全部紹介するのは大変ですし、したところであんまり需要がない(笑)ので、特に面白そうと思った2つに絞ってみました。
まずはイベントのお知らせです。

『ギターの日キター!!!』
日時:6月29日
開場/開演:15:00
料金:前売り4000円(ローソンチケットのみ取り扱い Lコード35804)/当日5000円
会場:スーパーデラックス
出演:秋山徹次、AxSxE、今井和雄、植野隆司、内橋和久、EXPE SPACE GUITAR、加藤崇之、川染喜弘、鬼怒無月、熊谷もん、小林亮平、ダイノジ、知久寿焼、中林キララ、成田宗弘、灰野敬二、半野田拓、宮下敬一、ムラトリックス、山本精一

イベントタイトルの通り、まさしくギターの日です。ずらりと並んだギター奏者たち。鬼怒無月灰野敬二など海外でも高い評価を受ける大物から、ダイノジのようなエアギターパフォーマー、さらにはギタリストじゃないはずの元たま知久寿焼などなど、総勢20名にも及ぶ出演者たちによるギター尽くしのイベントです。ギター好きはもちろんのこと、マニアックな音楽が好きな人ならきっと楽しめると思います。私も暇があれば行くつもりです!


つづいては音源のリリース情報です。

『U.F.O.Club Tokyo Japan vol.4 & vol.5』
アンダーグラウンド・ロックの総本山として全国からの注目を集め続けている、東京・東高円寺のライヴ・バーU.F.O.CLUBがおくるオムニバス・シリーズ

<vol.4 参加アーティストと収録曲>
1.躊躇なく起こりうる意味を持ちたがるあらゆる意味を解き放て −サンヒドリン(灰野敬二、ナスノミツル、吉田達也)
2.Dream On You −VAMPIRE![京都]
3.安全装置 −ピンクグループ
4.ユーのフォー −INCAPACITANTS
5.Social Confidense Enhancement −巨人ゆえにデカイ[大阪]
6.上の空 −突然段ボール
7.なつめやし(かもしれない) −朝生愛
8.オデュッセイア −core of bells
9.花が咲いて −ECD+ILLICIT TSUBOI+灰野敬二
10.夢は夜ひらく −三上寛
11.「阿修羅のために」詩集『荒涼天使たちの夜』より −Jean+荒涼天使(ex.ミスター・カイト、フリクション、P-MODEL、マーブル・シープ)

<vol.5 参加アーティストと収録曲>
1.マーメード −☆★飯飯音娘娘★☆(ハンハンネコムスメツー)<ぴかちゅう(あふりらんぽ)DODDODO>[大阪]
2.天気のいい日 −ザ・ドクロズ[京都]
3.家族百景 −坂本移動どうぶつ園
4.エブリディ アイ ハブ ザ ロック −燻裕理(ヒロシNa)[兵庫]
5.出不精のバラッド(空飛ぶ円盤に乗って) −三輪二郎といまから山のぼり
6.ねことカバ −後藤まりこ(ミドリ)
7.忘れないで −オクムラユウスケ[福岡]
8.sock song −おにんこ!
9.いつもの時間 −こどものこども
10.OWKMJ・ROMA −OWKMJ(俺はこんなもんじゃない)
11.豆腐 −前野健太withおとぎ話
12.ブラジル性器未来ちゃん −水中、それは苦しい

5月20日同時発売されたこのオムニバス。三上寛灰野敬二ミドリの後藤まりこなどといったミュージシャンの参加にも注目なのですが、なによりも東京のライブバーからリリースされたオムニバスアルバムに大阪、京都、兵庫、福岡などのミュージシャンが参加している点が見逃せません。それだけこのU.F.O.CLUBが、アンダーグラウンドシーンにおいていかに注目を集めている場所なのかということを如実に物語っていると思います。

なお、このオムニバスCDの発売に伴い、レコ発イベントも行われています。現時点で残っているのは最終日の6月21日(土)のみです。出演は水中、それは苦しい三上寛三輪二郎といまから山のぼりオクムラユウスケの予定です。
詳しくはU.F.O.CLUBウェブサイト
にて。
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<一曲一会> Forces

2008/06/05 22:16
今日の一曲一会は平沢進『Forces』です。
アニメ「ベルセルク」の劇中歌として使われていた曲ですが、もうかれこれ10年くらい前だったように思いますし、しかも深夜アニメだったのであまり覚えている方はいないかもしれませんが、1度聴けばきっと忘れないであろうインパクトのある曲です。

Forcesに限らず平沢進の曲というのは、最近流行のテクノポップとは違った、オリエンタルテイストな世界観を持つテクノポップが多く、それ故か年月が経っても色褪せない普遍性を感じます。
Forcesは特に戦記ファンタジーものであるベルセルクに相応しい雰囲気があり、勇壮かつ荘厳なパワーがあって、聴いているとテンションが上がります。しかし同じ「アガル」曲でもイケイケなロックナンバーと比べると、これまた全然違うように思えます。ノリのいいロックの曲というのはビートに身体が反応して気持ちいいものだと思うのですが、Forcesの場合は身体ではなく精神的なもの、さしずめ闘争心のようなものがかき立てられてテンションが上がるように感じます。
イントロからエンディングまで使っている音そのものはデジタルでありながら、中世風の雰囲気を見事に醸し出している曲。そして勇壮なボーカル。アニメ用というコンセプトに完璧に答え切った平沢進のセンスを感じる1曲であり、またアニメ云々は抜きにして、平沢進入門編としてもピッタリの1曲です。

余談ですが、私はベルセルクも愛読しています。作者が存命中に話が完結するのかが心配ですが、生暖かく見守ろうと思います。


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<一曲一会> 蓮

2008/06/02 23:06
前回の高円寺百景の記事で予告しましたが、新たに『一曲一会』というコーナーを始めます。ミュージシャンではなく「これはっ」と思った1曲を紹介するショートコーナーです。
よくよく考えてみれば、特定のミュージシャンを好きになるきっかけというのは、総合的な音楽性よりも何か好きな曲があったからという場合が多いと思います。そういう意味では意外と面白いコーナーになるかもと思っていますが、そこは自分の表現力や伝達力にかかっているわけでして、とにかくやってみなくてはわからないですね。

まず記念すべき1回目に紹介するのはorange pekoe『蓮』という曲です。
この曲の特徴はズバリ「和」なのですが、サウンド的には純和風ではなく、琴や篠笛といった和楽器にシンセベースとブレイクビーツ、さらにはラテンパーカッションなどを組み合わせているのが特徴です。この手の曲は本当にセンスが問われるところで、ロックンロールのようなハートを重視する音楽とも、フュージョンのようなテクニックを重視する音楽とも違い、非常にクリエイティブな作品だと思います。そういう性質ゆえに、センスがないと非常に野暮ったい感じに仕上がってしまうものなのですが(私も以前打ち込みをやっており、自分でもたくさん未熟な作品を作っていました)、この曲は非常にクールに仕上がりっており、鳥肌もののカッコ良さです。
和の雰囲気をぶち壊さないように華美な装飾は施さず、それでいて決して薄っぺらい印象を与えないサウンド。その上に乗るナガシマトモコのセクシーで落ち着いたボーカル。サビでもどーんと大盛り上がりするわけでなく、やや切なげな調子で唄われるメロディがとても印象的です。

この曲はModern Lightsというアルバムに収録されています。
個人的にもイチオシです。今流行のテクノポップとは違った打ち込み系の絶妙な味わいを味わってみてください。


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高円寺百景

2008/05/31 20:22
前回のる*しろうの記事でちらりと名前を挙げた『高円寺百景』を紹介しようと思います。

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高円寺百景は数々のバンドで活躍するドラマー、吉田達也によって結成されたバンドです。フランスのMAGMAに影響を受けた、重厚なコーラスと高度なテクニックで展開されるスピード感のあるサウンドが特徴です。変拍子を多用し、手数の多いプレイが多く見られながらも、一般的なプログレと大きく違うのは「歌」に強い比重が置かれている点でしょう。ほぼメンバー全員がコーラスをとり、歌詞は全て造語。そこから巻き起こされる摩訶不思議なエネルギーによって、プログレというよりは民族音楽のような、むしろ宇宙人の音楽のような趣すら感じます。MAGMAにしても「コバイア語」という宇宙言語を歌詞に取り込んだサウンドが特徴のバンドですし、そういう点では非常に類似している両者と言えます。(これは吉田達也の別バンド『RUINS』でも同様)

吉田達也以外のメンバーはかなり流動的なので、時期によって使用されている楽器や演奏スタイルにも若干変化がありますが、ある時期からはオペラ畑のボーカルを加えることで、より歌に厚みを持たせるようになりました。ソプラノ、アルト、テナーのゲストボーカルを迎えてライブを行ったこともあります(このライブの模様はYou Tubeにもアップされています)。
前述の通り、タイトルも歌詞は全て造語なので聴いていてもその意味は全くわからないのですが、目まぐるしい展開の中で繰り広げられる声と楽器のアンサンブルには驚異的とも言うべき迫力があります。およそ全員がボーカルをとり、なおかつ超絶技巧の演奏が繰り広げられるバンドというのは、私個人は他に見たことがありません。
物は試しにまずは動画をご覧になってみてください。You Tube、ニコニコ動画などで色々な時期の動画を観ることができます。(残念なことに私が見た限りではる*しろうの金澤美也子在籍時の動画は見当たらなかったのですが)


最後に音海ダイバーのお知らせです。
ここではこれまで様々なミュージシャンを紹介する場として使ってきましたが、それにはある程度の聴き込みや情報収集が欠かせないのでどうしても更新スピードが遅くなります。水増しというわけではないですが、もうちょっと更新ペースを上げたいなと思うのです。
そこで来月から、ミュージシャンではなく曲にスポットを当てた新コーナー『一曲一会』をスタートさせます。これはと思った一曲にスポットを当てるので字数も少なく読みやすい内容になると思います。どうぞお楽しみに。


磨崖仏(吉田達也のレーベル)
You Tube
ニコニコ動画
mixiコミュニティ
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る*しろう(le silo)

2008/05/29 22:01
皆さんは好みの音楽を聴かれた時に「こういうのが好きです」はっきり答えが出る方ですか?私は結構何でも聴く(というか聴きたい)方なので、そういう質問をされるといつも曖昧な答え方をしてしまいます。メロディを強調した歌モノ、テクニカルなインスト、実験的な意欲作、様々な要素を詰め込んだ大作・・・それぞれに魅力がありますし、やはり本当に良い作品とは、さほど親しみのないジャンルであろうと良く感じるものだと思っています。
本日紹介する『る*しろう』は、そういう意味では最高に紹介し甲斐のあるバンドです。

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る*しろう金澤美也子(piano,vo)、菅沼道昭(drum,vo)、井筒好治(guitar,vo)からなるトリオバンドです。
彼らの音楽性はまさしく変幻自在、支離滅裂のようでとてつもなく高度、キ○ガイじみていながらも無邪気にはっちゃけていてキュート。とにかく彼らの音楽を聴いた後だと、世に多く存在する「独自の世界」「唯一無二」などといった謳い文句で紹介されている音楽が軒並み嘘っぽく感じられるほどです。

彼らのファーストアルバム『8・8』には、ジャズピアニストの山下洋輔からも絶賛のコメントが寄せられました。以下引用。
名づけようのないガイキチぶっ飛び音楽。極限合わせ、変態リズム、面白い!素晴らしい!いったいどこの音楽だ!こいつら何国人だ!あっというまにさらわれて宙天高くぶっ飛ばされている。こういうピアノ音楽もあったのだ。すぐにでも真似したい誘惑にかられるアイディアが満載。爆笑ユーモアと高級センス炸裂。凄いことやっているのに軽々として、格好いい。十年間変わらないメンバーならではの細胞交感世界だ。超絶的身勝手爽快ガイキチ音楽。異次元ボーカルでとどめを刺された。こう書いてみても何言ってるか分からないだろうから、皆さん、聴いてみるしかありません!


前述の私の批評と合わせて「言葉では言い表せないんだけど、とにかく凄いんだ」ということを言いたいのがひしひしと伝わってくるコメントであると思います。
実際のところ、私もこれまでにる*しろうのようなタイプの音楽に出会ったことがないので、彼らの音楽は本当に説明するのに困ってしまうのです。強いて言えば金澤美也子が過去に在籍していた高円寺百景に相似点が見出せる気がしますが、あくまでも部分的な相似です。
迷路に迷い込んだかのような変則リズムにテクニカルな演奏が乗っても、決してジャズロックでも旧来のプログレでもなく、さらには何語なのかもわからないボーカルが加わると、本当に山下洋輔のように「こいつら何国人だ!」と言いたくなってしまいます。
ですがる*しろうの何よりも秀逸な点は、これだけ異質極まりない音楽性を持ちながら、とてもユーモラスで聴き苦しさのないものに仕上がっているところです。実験音楽と呼ばれるものはもちろんのこと、誰にも似てないものを追求した作品の多くは、結果として前衛色の濃いものになってしまい、結局理解されずに終わってしまうのがパターンです。対してる*しろうの場合、「なんだかわからないけど凄い」と言いたくなる不思議なユーモアが存在するのが素敵です。ライブだと特にそのユーモアが実感できると思います。曲はもちろん、MCからも目が離せません。作家の溝口敦が「金澤美也子は面白がり屋の妖精である」というコメントを残していますが、それは本当に言い得て妙です。これを読んでて「なんだかる*しろう興味出てきたよ」という方は是非ともライブを観に行ってみてください。

好みの音楽を聴かれた時「る*しろうみたいな音楽が好きです」と言うと、非常に好みの範囲の狭い人間と思われてしまうので(笑)できませんが、でも私は間違いなくる*しろうみたいな音楽が好きです。


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ジギタリス

2008/05/25 02:07
ここ最近『ジギタリス』というバンドにハマっています。友人に教えられて(しかもその友人の評価は「微妙」でした)聴き始めたのですが、気づけばヘビィローテーションで聴きまくる日々を送っています。

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ジギタリスは2003年に結成された4人組のバンドで、活発にライブをこなしながら現在までに2枚のアルバムをリリースしています。
ボーカル&ギターの山本美禰子のクラシカルな歌声と疾走感のある楽曲の組み合わせがとても心地いいのですが、実は聴き込むほどに深みのある世界観がだんだんと見えてきて、こうやって記事を書いている最中もまだ彼らの魅力を十分理解し切れていないような気がしています。それでもとりあえず紹介してみます。

ジギタリスの作詞作曲は基本的に全て山本美禰子が担当。そこかしこで量産されている「誰もが共感できる」といった謳い文句のついた歌詞とは違い、山本美禰子の書く歌詞は神話、詩、哲学、文学などといったモチーフを料理して作られており、そういう意味ではちょっと難解かもしれません。ですが彼女のブログを読むと、単なるカッコつけでそういう歌詞を書いているわけではなく、本当にそういうテーマに深く親しんでいることが窺えるので、なんだかこちらも一生懸命に理解したくなる・・・というのは私だけなのでしょうか?
ジギタリスのもう1つの特徴として、 クラシックを土台にした山本美禰子のボーカルが挙げられます。声は千差万別の楽器なので言葉で表現するのは難しいですが、例えて言うなら矢野顕子倉橋ヨエコの声を合わせたような印象です。高らかで清楚な雰囲気を持ちながらも毒を孕んでいる風で、正直彼女の年齢からするとかなり成熟したボーカルに感じられます。ファーストアルバム『奇妙な肖像』を聴く限りではまだ未完成だったのか、あるいはレコーディング技術が未熟だったのか、それほど特徴的な歌声とは思えなかったのですが、セカンドアルバムの『SYZYGIA』では前作を大きく上回るボーカルを聴くことが出来ます。深遠な世界観を持つ歌詞がクラシカルなボーカルと科学融合することで、ロックスタイルの音楽でありながらとても神秘的な響きを帯びて感じられます。
たった今、神秘的という言葉を使いましたが、歌詞だけでなくサウンド面においてもジギタリスを表現する上でも、神秘的という言葉がピタリとはまる気がします。

実際問題、歌詞がどういう世界観を持っているかという先入観なしに聴いた時、ジギタリスの音楽から流れ込んでいるイメージというものは、どこか現実感を欠いた神話的な世界なのです(もちろん私の個人的な解釈ですが)。特に『SYZYGIA』に収録されている曲ではより神秘的な雰囲気を感じられます。それはやはり山本美禰子のボーカルに負う部分が大きいと思うのですが、それ以外にもトーンは美しいのにどこか暗さを湛えたギターの存在も無視できません。ジギタリスはツインギターのバンドなので、ライブではどのように演奏しているのかも気になるところですが、生憎と私はまだジギタリスのライブは観たことがないのでわからないのが残念です。

ロックバンドとして出している音は正統派の趣きもありつつ、神秘性を融合させた独自の音楽を展開するジギタリス。今、私の個人的イチオシバンドです。ネットラジオでも視聴可能です。お試しあれ。


オフィシャルサイト
myspace
mixiコミュニティ
monstar.fm(ネットラジオ)
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Blind Lemon Brothers

2008/05/16 16:57
今回は珍しくブルースのデュオを紹介してみようかと思います。
ここでは比較的プログレのミュージシャンを取り上げることが多いので、もしかしたら私のことをハートフルな音楽よりテクニカルな音楽が好きと思っている方もいるかもしれませんが、実はこう見えても昔ブルースにハマっていた時期もあるのです。リー・オスカーモデルのブルースハープを教則本と一緒に買ってきて練習したり、ブルースギターの教則ビデオを観て研究したりしてました。まぁ結局どちらも挫折したのですが・・・

それはさておき、ご紹介するのは『Blind Lemon Brothers』千賀明三千賀太郎による親子デュオです。多分Blind Lemon Brothersと聴いてピンと来る人は相当な音楽通だけだと思うのですが、一昔前に「超・天才たけしの元気が出るTVで紹介された天才ハーモニカ少年太郎くん」と言えば、なんとなく覚えている人もいるのではないでしょうか?私も当時テレビで観ていたクチで、まだ小学生になるかならないかくらいだった太郎くんが吹くハーモニカが、ブラックミュージックの殿堂であるアポロシアターの客を熱狂させていた様子は今でも覚えています。

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あれから10年以上経って太郎くんも今では立派な青年になっていますが、もちろんあの衝撃的サウンドは健在です。父・明三の弾くいぶし銀のギターと枯れたボーカルに乗せて縦横無尽に駆け回るハーモニカは、少年時代よりも遥かにスケールアップしています。技術的なレベルで向上が見られるのはもちろんのこと、ブルースならではの枯れた味わいや感情の振幅など、すでに熟練のブルースミュージシャンに劣らない独自の音というものを持っています。
ブルースハープはもちろんのこと、クロマチックハーモニカに持ち替えた時のプレイも素晴らしいの一言です。その広い音階を駆使して繰り広げられる超絶技巧は一見の価値あり。音もブルースハープとは違ったシックな味わいがあり、ちょっと落ち着いた雰囲気の曲などにはピッタリです。

太郎のハープの紹介ばかりになってしまいましたが、ライブを観た時の存在感は父・明三も負けていないというか、むしろ明三のリードに太郎がついていくという形に見えました。これはパートの役割的な話でもあるのでしょうが、さすがにキャリアうん十年のミュージシャンだけあって、日本人でこれだけブルージィな空気を出せる人がいるのかと思うほどです。特にその枯れたボーカルはまさに円熟した黒人ブルースマンの如しで、巧拙を超越した無二の魅力を感じます。

私も彼らの音に触れたら久しぶりにブルース熱が再燃してきそうになってきました。


七面鳥レコード(音源情報など)
インタビュー記事
動画
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<ライブ> Gem High Quality

2008/05/13 00:18
更新するすると言っておきながら見事に間隔が空いてしまいました。情けないまでの有限不実行ぶりでお恥ずかしいです。
そんなわけで久しぶりの更新ですが、これまた久々にライブから1本記事を書いてみようと思います。

11日の日曜日、渋谷のLUSHというライブハウスに行ってきました。当初の目当ては少し前にここで紹介した内核の波だったのですが、最初に登場した『Gem High Quality』(以下GHQ)というバンドが非常にカッコよかったので、そちらを紹介してみようと思います。

公式プロフィールによるとGHQ
「10年来、活動を共にして来たセッションミュージシャン、A/Vo、 ZETA(セタ)/G、ARIYAN/Bを中心に、SYNJI/Ds、YUTAKA/Per, Mixを加えた5人によって 2005年、横浜で結成されたロックバンド。」
とのことです。
11日に観たライブではボーカル&パーカッション、ギター、ベース、ドラム、キーボード&マニュピレーターの5人編成でのライブでした。メンバー紹介の時に「今日のキーボード」という言い方をしていたので、どうやらキーボードのメンバーは固定ではなく、その時その時で人を呼んでいるようです。

肝心の音楽性ですが、重厚なヘヴィネスサウンドに力強い女性ボーカルが絡み、かなりラウド系の印象を受けます。ヘヴィメタルかというとそうでもなく、むしろグランジに近い感じで、そこにゴシック、サイケデリック色をつけ加えた感じです。
特にバンドの特徴を語る上で外せないのがAのボーカル。同じ女性ボーカルのヘヴィネス系バンド(EVANESCENCE、Nihgtwish、ARK ENEMY、五人一首など)と比べてみてもそのボーカルは明確な個性を見せています。デス声を使ったり逆にクラシカルな発声を用いるわけではなく、そのままでとても骨太な中低音を響かせることができ、それがバンドのヘヴィなサウンドと完璧にマッチしています。今ではメタル系のバンドに女性ボーカルが入ることは以前ほど珍しいことではなくなりましたが、Aのようなある意味正統派とも言えるボーカルを聴かせるタイプは案外お目にかからないものです。

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またライブで大きな役割を果たしていたのがキーボード兼マニュピレーターの存在です。この日のキーボードは派手なプレイは決して見せないながらも、Aのパーカッションと共にエスニック感を出したり、アンビエントっぽい硬質さを出したりと、サウンドを広げる縁の下の力持ち的なポジションとして活躍していました。
また曲によって自在にボーカルにエフェクトをかけ、脳をかき回すようなトリッピンな空間を演出したりと、演奏以外でも活躍していました。このボーカルエフェクトは恐らくGHQのライブにおいては欠かせない要素の1つと思われます。どっしりしたヘヴィなサウンドの中でボーカルに浮遊感が加えられることで、なんとも言えない恍惚感が生まれ、まるで酔っ払ってしまったかのように感じるライブでした。

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がっつい食いでのある音楽に飢えている方。是非ともGHQをチェックしてみてください。
次回ライブは14日、四谷のOUTBRAKEですよ。


オフィシャルサイト
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城直樹 その2

2008/04/29 21:10
本来なら今回もBaja Progシリーズでお送りしようと思ったのですが、ちょっとした出来事がありましたので別口でお送りします。

つい先日の話ですが、新宿の駅前を歩いていたところ、何やら特徴的なアコースティックギターの音が聴こえてきたのでふとそちらを見ると、なんと以前ここでも紹介したことのある城直樹が路上ライブを始めようとしているところでした。(去年の記事を参照されたい方はこちら
別に路上ライブをやるなんて知っていたわけではなく、全くの偶然だったのでとても驚きましたが、折角でしたので最後まで観ていきました。天気が崩れそうだったので、3曲やって早々に切り上げていましたが、それでもかなりの人が足を止めて彼の演奏を眺めていました。終った後はチップを出す人やCDを手に取る人もかなりいて、段々とこういう音楽が受け入れられるようになってきているのだなと思い、私としても嬉しい気持ちでした。

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そんな城直樹ですが、先月ドイツのフランクフルトで行われたミュージックメッセという大規模なミュージックフェアに出演してきたようです。城直樹の他にもPeter Finger、Jacques Stotzem、Petteri Sariolaなどなど、フィンガーピックスタイルのギタリストも大勢参加していたようで、アコギファンにとってはたまらない空間になっていたと思います。

そんな世界中を飛び回って演奏している行動派の城直樹ですが、つい最近、同じアコースティックギタリストであるAKI田中彬博らと共にHarvest Moon Recordというレーベルを新規に立ち上げたようです。売れ線を追求するのではなく、アーティストの頭に描く音を作品にしていくことを第一のコンセプトとしたレーベルということで、これから少しずつこだわり派のミュージシャンが集ってくることになるでしょう。基本的にアコースティックミュージックを専門とするレーベルということですが、なにぶん立ち上げたばかりのレーベルですので今後どのように展開していくのかはまだわかりません。
そのHarvest Moon Recordから発売予定の新譜ですが、全18曲入りとこれまでで最も曲数が多くなっています。ライブで定番になっている曲から新曲まで性格も様々な楽曲が収録されており、激しくボディを叩くアグレッシブな曲はもちろん、ゆったり穏やかな雰囲気の曲や、ちょっとダークでメランコリックなアプローチの曲など、かなりバラエティに富んだ内容になっています。これ1枚で城直樹の魅力がまとめて味わえると言っても過言ではないでしょう。

三味線の吉田兄弟、ピアノ連弾のレ・フレール、そして同じアコースティックギターの押尾コータローなど、昔からあるものを使いつつ、常識外れのアプローチで演奏することで注目を集めるミュージシャンが最近増えてきたように思えます。
「最近の音楽はみんな似たり寄ったりでつまらん」という意見がある一方で(いつの時代もこういう意見を言う人はいると思いますが)、新しい表現でもって閉塞したシーンに風穴を空けるミュージシャンの存在は、リスナーを非常にワクワクさせてくれるものです。そして、そういうミュージシャンこそが次世代の担い手になっていくのではないかと、私は思っています。


オフィシャルサイト
Harvest Moon Record
動画(ギターセッション)
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ASTURIAS

2008/04/22 15:23
前回の内核の波に引き続き、今回もBaja Progの出演バンドを紹介したいと思います。

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ASTURIASはマニュピレーターの大山曜を中心に結成され、80年代後期から90年代初期にかけて活躍したバンドです。この時代に彼らは3枚のアルバムを残して活動を停止してしまうのですが、2003年にクラシカルな編成のカルテットとして復活し、2005年にはBaja Progにも出演。さらに翌年にはヨーロッパのプログレフェスティバル、Prog Sudに出演し、フランスやイタリアにも遠征するなど、世界を股にかけた活動をしています。
そしてこの手のジャンルでは珍しく、avex ioからメジャーデビューを果たすなど、国内でも高い評価を集めています。

ASTURIASの音楽性は初期3作品においては打ち込みによる多重録音と生楽器のアンサンブルによる、プログレというよりはニューエイジ系の印象を受けるもので、クラシックの室内楽とファンタジックなゲーム音楽(私が個人的に耳にした話によると大山曜はかつてゲーム音楽の製作にも携わっていたそうです)を合体させたような作りになっています。
そして2003年の再結成後は、ギター、キーボード、クラリネット、ヴァイオリンの4人編成によるACOUSTIC ASTURIASとして主に活動しており、現状では活動の9割はこちらの形態です。ACOUSTIC ASTURIASでは打ち込みの音を排除し、かなりクラシック色の強い内容になっていますが、それでいながらも以前のファンタジックな要素も継承しており、肩肘張らずに聴けるライトクラシックになっています。私個人としては構成がシンプルになった現在の形態の方が、より万人向けな内容になって聴きやすいと思っています。

時代が変わってもクラシックというジャンルは敷居が高いような印象があるのは変わらない事実。しかしながら村治佳織木村大など、クラシック畑の演奏家にも注目が集まるようになった昨今、オーケストラのような大掛かりな形ではなく、もっと親しみやすい小さな形態でのクラシック音楽がこれから段々とウケていくのかもしれません。


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更新再開、ロックだぜ!

2008/04/18 15:32
どうもお久しぶりです。個人的な用事で2週間ちょっと長野の方に行ってました。
またこれから平常通りに更新していきますのでよろしくお願いします。

さてさて、再開1発目の記事は、前回の宣言通りにBaja Progに出演したバンドを紹介してみようと思います。
まずは個人的にも特にイチオシな内核の波(ないかくのわ)からいってみましょう。

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内核の波は2007年にBaja Progに出演。CD及びDVDの売り上げは過去に出演した日本勢の中でトップを記録し、ライブも大変な好評を呼びました。
さらに同年、アメリカで行われたプログレフェスティバル、Prog Dayにも出演し、こちらでも大成功を収めました。

そんな内核の波はベースの小林智を中心に1998年に結成。今年で結成10周年を迎えます。テクニカルかつヘヴィな演奏を得意としながらも、フルートをフロントに据えたことにより、独特の幽玄さ、静謐さを醸し出す稀有な音楽性の持ち主です。同じフルート入りのバンドとしてはオランダのプログレバンド、FOCUSをリスペクトしているようで、彼らのファーストアルバムにFOCUSの代表曲である『HOCUS POCUS』のカヴァーが収録されています。
音楽性だけでなく、ボロボロの白衣をステージ衣装にし、自作の映像を流しながら行うライブは視覚的にもかなり刺激的です。元々絵と音の融合表現を目指したアートグループとして活動していたバンドであり、10年経った今でもビジュアル面の追求は怠りありません。

ビジュアル的な特異さやドラマティックな展開を持つ楽曲とは裏腹に、コミカルな一面も持ち合わせています。特にサポートメンバーの高木大地が見せる「食」のパフォーマンス(読んで字のごとく、ライブの最中に食事をする)などはその最たるものですが、初めて観る人にとっては笑うよりも唖然となるかもしれません。また彼らは清涼飲料水メーカーの伊藤園を勝手に応援しており、ライブの度に映像やMCで伊藤園について触れており、休憩の合間に飲むドリンクも必ず伊藤園のものと徹底しています。
こういう点はライブでなければ楽しめないので、もし内核の波に興味を持たれた方がおられましたら、まずはCDを買う前にライブに足を運んで欲しいですね。

ちなみに今回のタイトルに入ってる「ロックだぜ!」というフレーズは内核の波のキャッチフレーズでもあります。彼らの音楽はジャンルとしてはプログレ扱いされてますが、そのステージングや映像や曲のタイトルまでが、ありきたりの価値観をぶっ壊してやるぞという強烈なロック精神を匂わせています。
もうロックは死んだ!と思っている方も、内核の波のライブを観たら考えが変わるかもしれませんよ?


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